昨季の躍進はどこへ? 豊田・水沼らが語るサガン鳥栖が低迷した要因と復活のカギ

2013年05月17日(Fri)11時05分配信

text by 荒木英喜 photo Kenzaburo Matsuoka
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復活のカギは『原点回帰』

 そして、今季はセットプレーからの失点も増えている。鳥栖はセットプレー時にゾーンディフェンスに加えて、相手のキーマン一人だけにマンマークを付けて守る。それも対策を練られている。相手はゾーンの間にボールを入れてくるのはもちろん、その陣形を崩すためにショートコーナーなどで揺さぶりをかけてくる。それでできたスペースを突かれている。

 尹監督は失点について、「一瞬の集中力を欠いた」と振り返ることが多いが、ここまで失点が増えるとそれだけでは済まされない。もちろん、尹監督をはじめとしてチームは守備の修正に取り組んでいる。ピッチ上での練習だけでなく、ミーティングも度々行われている。

 そこで出た答えは、新しいことに取り組むのではなく、自分たちの原点であるハードワークに立ち返ること。あくまでも鳥栖のスタイルを貫くことで堅守復活を目指しているのだ。そして、徐々にではあるが前線からのアグレッシブさや球際の激しさを前面に出した守備を取り戻しつつある。

 水沼も「ミーティングが増え、やりたいことを一人ひとりが理解するようになったので、良い方向に行っている」と手応えを感じている。

 あとは、誰がリーダーシップを取って、チームを同じ方向へ向かわせるのか。チーム一丸で戦う鳥栖のスタイルを考えると、誰か一人に頼り切りになるのではなく、選手一人ひとりが責任感を持ってプレーすることが最善だろう。豊田も「個々がリーダーシップを取れるチームになれば、恐いものはない」と語っている。

 苦戦を強いられている鳥栖だが、これを乗り越えればチームとして一回り大きくなれる。それを信じてチームは原点回帰する。

【了】

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