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Jリーグ 11年前

難敵・鹿島を下した川崎フロンターレ。快勝の要因はまさかのマンガ!?

text by いしかわ ごう photo by Go Ishikawa

構想は2年前から

 注目イベントとしては、やはり川崎市在住のアニソン歌手・きただにひろしさんが登場した等々力アニソンライブだろう。特設ライブ会場を作り、米倉千尋さん、橋本みゆきさんとともに、超人気TVアニメ『ONE PIECE』の主題歌『ウィーアー!』を熱唱すると、会場のボルテージも最高潮に。

 他にも、ハーフタイムに走行した宇宙戦艦ヤマト2199デザインのフォーミュラカーに合わせ、名作アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の曲を歌い、幅広い年齢層が会場付近で足を止めて曲に聞き入っている光景もあった。選曲にもこういう心使いができるのはさすがである。

 なお、この試合の始球式に登場したきただにさんは、ライブ中に「始球式では、俺のタイガーショットが火を吹くぜ」と宣言していたが、本番では2本連続してシュートをゴールの枠を外すという、なんとも珍しい光景を演出している。

 毎回趣向を凝らした企画で話題を集めている川崎フロンターレだが、それにしても、よくサッカークラブがここまで突き抜けた企画を考えられるものである。クラブスタッフに聞くと、この「まんがまつり」というイベントの構想は2年前からあったそうである。

 例えば、プロモーション部部長の天野春果が『あひるの空』という「川崎」を舞台としたバスケ漫画があることを知ったのは、2年前の2011年、フロンターレ・ハンマープレイスというチャリティー企画で稲本潤一がよみうりランドでサポーターと遊園地で遊んだ企画のときだったという。

 あるいは、「川崎」在住のきただにひろしという人気アニソン歌手とも、少し前に知り合いがいて、そこでつながりができたのがきっかけだという。

 つまり、どれも直接的にはサッカーとは関係はなく、「川崎」というキーワードから生まれた「種」でしかない。しかしそれを少しずつかき集めていくと「漫画」や「アニメ」という共通項が生まれ、それに付随した企画が少しずつ固まって「芽」となっていくわけだ。

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