日本代表、最低の試合はベスト8への布石。先発変更・時間つぶしに見えた勝負師・西野朗の真髄【ロシアW杯】

2018年06月29日(Fri)11時40分配信

text by 植田路生 photo Getty Images
Tags: , , , , , , , , ,

なぜ大胆に先発メンバーを変更したのか?

 勝負は試合前から始まっていた。これまでと先発メンバーを6人も変更。敗退が決まっているポーランドでさえ変更は5人だった。特に攻撃陣は全員変わり、さらにフォーメーションも4-2-3-1から4-4-2とした。

 試合後、西野監督は言う。「疲弊していた。ギリギリの状態だった」と。これだけ聞くと主力選手に疲労がたまり、サブの選手を使わざるを得ない状況のように思える。だがそうではない。この試合に全力を注ぐのであれば、無理して香川真司や原口元気を使うこともできたのである。

 長谷部誠や大迫勇也、乾貴士もそう。交代で出てきたこれら3選手をスタートから起用することもできた。この試合のポーランドのクオリティであれば、彼らを使うことで勝ち点を得ることはそう難しくはなかったはずだが、それをしなかった。西野監督はベスト16進出よりも、ベスト16で「勝つ」選択をした。

 先発はフレッシュな選手で固め、主力の疲労を軽減。とはいえ不要な失点を防ぐために酒井高徳を中盤サイドで起用し、酒井宏樹の前においた。本職がサイドバック(SB)の選手を縦に並べるにはあまり例がない。

11/12シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でチェルシーのディ・マッテオ監督がアシュリー・コールの前にSBバートランドをおいて例はあるが、守備を最優先しての選択だった。この試合、チェルシーはガチガチに守備を固め、バイエルン・ミュンヘンを下して優勝した。

 高徳の起用はそこまで効果的だったとは言えない。だが、もしポーランドがそこまでメンバーを落とさずに、レギュラー格のSBリブスを起用していたなら、ハマっていたのではないか。

 もちろんこれは試合前のプランに過ぎない。思わぬ失点により窮地に追い込まれたが、ここからが西野監督はタフだった。

1 2 3 4

新着記事

↑top