ダニ・セバージョス、そのプレースタイルと能力値、ポジションは? アーセナルにふさわしい能力、天才肌の若きMF【注目選手分析(10)】

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを始め、世界各国には際立った存在感を放つ名手が数多く存在している。そんなワールドクラスのプレイヤーは、一体どのようなスキルを持ち、どのような特徴を発揮しているのか。そのプレースタイルを解説する。第10回はスペイン代表MFのダニ・セバージョス。(文:編集部)

2019年08月22日(Thu)10時00分配信

シリーズ:注目選手分析
text by 編集部 photo Getty Images
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スペイン期待の逸材も、ジダン監督とはなぜか…

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アーセナルに期限付き移籍で加入したダニ・セバージョス【写真:Getty Images】

 今夏、アーセナルの元を去っていたアーロン・ラムジーの後釜としてレアル・マドリーから期限付き移籍でやってきたスペイン代表MFダニ・セバージョス。当初、ACミランへ期限付き移籍をするのではないかと見られたが、同じスペイン出身のウナイ・エメリ監督の存在が大きく、アーセナル行きを決断。リーグ戦第2節では初先発出場を果たすといきなり2アシストを記録し、MOMに選出された。

 セバージョスは1996年8月7日にスペインで誕生。2011年からレアル・ベティスのユースチームでプレーし、2015年7月にトップチーム入りを果たした。チームは14/15シーズンに2部リーグへ降格してしまうがそこで大きな成長を遂げ、1シーズンでの1部昇格の原動力となった。16/17シーズンはグスタボ・ポジェ監督の元では冷遇されたが、監督交代をきっかけに後任のビクトル・サンチェス監督の元で一気に成長することになる。そのシーズン、チームは最終的に15位に終わるが、それでもセバージョスの注目は一気に高まった。

 そして2017年7月14日にバルセロナとの争奪戦に制したレアル・マドリーと6年契約を結ぶ。マドリーへ移籍する際にベティスとの間に溝が出来、ホセ・ミゲル・ロペス・カタラン副会長から批判を浴びてしまう形での退団となってしまう。マドリーでの初出場はスーペルコパ・デ・エスパーニャのセカンドレグ。トニ・クロースと交代し初出場。初先発を決めたリーグ戦第6節デポルティーボ・アラベス戦で移籍後初ゴールを含む2ゴールを決め勝利に貢献を果たした。しかし当時監督を務めたジネディーヌ・ジダンの元で信頼を勝ち取ることが出来ず、控えに回ることが多かった。

 18/19シーズン開幕前にジダン監督の退任、フレン・ロペテギの2重監督契約問題など監督騒動で混乱した中、ロペテギ監督の元で開幕戦のスターティングメンバーを勝ち取る。しかしその後再び監督の座に就いたジダン監督の元で出場機会を大幅に減らし出場した試合はわずか1試合、第35節ラージョ戦のみに終わり残りの3試合はメンバー外となってしまった。そして今季からはジダン監督の構想外となりアーセナルへ期限付き移籍を決断した。

 マドリーへやって来た当初は誰もがマドリーで才能が開花するだろうと期待をした。フロレンティーノ・ペレス会長も「ダニは将来、クラブを背負う存在になるだろう」と語っていただけに、クラブでの扱いは本人にとってもファンにとっても納得のいくものではなかった。

そのプレースタイルは?

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ダニ・セバージョスの能力値や適性ポジションなど【写真:Getty Images】

 セバージョスはセントラルMFを主軸にトップ下の攻撃的な位置でもプレーが出来るミッドフィルダーだ。第2節のバーンリー戦ではトップ下の位置でプレーをし、メスト・エジルの代役として活躍した。まさに攻守においてバランスの取れたミッドフィルダーで、エメリ監督も「彼は10番としても、8番としてもプレーできる」とコメントしている。

 彼のプレースタイルの特徴は巧みなボールタッチだ。独特なリズムから繰り出されるフェイントは相手選手を翻弄し、見る者を魅了してくれる。それだけでなくボールキープ力も高い。繊細なボールタッチで相手デェフェンダーを引きつけ、上手くかわすことが出来るのでタメを作りサイドチェンジをするなど、狭い所から広い所へと展開できる。リズム変化が出来る選手はアーセナルの繋ぐサッカーには必要不可欠な存在だ。

 またドリブルだけでなくパスも持ち味である。スルーパス能力も高いため、決定的なチャンスを作り出せる。そのため彼の能力が最大限に活かされるのはアタッキングサードだろう。ドリブルに長けているセバージョスに対して迂闊にタックルに行くとフリーキックもしくはPKの可能性が出てくる。それを危険視するあまりプレスが甘くなると決定的なパスを通される可能性もある。アーセナルの選手の中で自らボールを持ち運び仕掛けることの出来る選手は希少だ。そういった意味でもセバージョスの存在は試合に変化を与えてくれる選手だろう。

 ドリブルやパスのほかにセバージョスはロングシュートも積極的に狙っていく豪快さも持ち合わせている。ラムジーの後釜として移籍して来たが、彼のように2列目からの飛び出しも出来るというタイプではなく、自らボールを持ちチェンスメイクやシュートを狙っていくタイプだ。

 ここまで見ればセバージョスは攻撃的なタイプだと思われるかもしれないが、決してそうではない。確かに攻撃的ではあるが守備時の貢献度も非常に高い選手だ。セントラルMFとして起用されれば当然守備機会も多くなるが、このポジションに求められるボール奪取能力も高く、ラムジーの穴は十分に埋まるはず。

 セバージョスは23歳と若く無理な場面でボールをキープする場面やフィニッシュ能力に欠けるなど、まだ荒削りの部分も見られるが、これから更に経験を積み将来世界最高峰のミッドフィルダーの一人になる可能性を秘めている。これからもそのプレーで多くの者を魅了してもらいたい。

【了】

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