バルセロナが輩出した不世出の天才、リオネル・メッシは常に比較対象の頂点であり続けている。そして後に続く才能溢れるアタッカーたちは、「〇〇のメッシ」として本家と比べられ、過剰なまでの期待や重圧に晒されてきた。若くしてポテンシャルを高く評価され、重荷を背負ってきたバルセロナの後輩たちはどのようなキャリアを歩んできたのだろうか。かつてメッシと比較され、世界中に散らばる5人の選手たちの今を追った。(2020年3月掲載の記事を再編集したものです)
ことあるごとに話題にのぼる久保建英。以前はバルサに在籍し、現在もその才能をいかんなく発揮する久保には大きな注目が集まるが、スペイン在住記者はその状況に警鐘を鳴らす。“日本のメッシ”とメッシと比較することもあるが、果たしてそのような重圧のかけ方は選手育成にとって健全なのか。同様の騒動でかつては天才少年が苦しめられたことがあったのだ。(取材・文:山本美智子【バルセロナ】)
FCバルセロナの下部組織は「カンテラ」と呼ばれている。バルサはカンテラ育ちの選手を多く輩出していることで知られており、リオネル・メッシやジェラール・ピケなどもカンテラ出身だ。しかし、中にはトップチームで出番を掴めず、他クラブへ出場機会を求める選手も少なくはない。ここでは、バルサが手放した10人の選手を紹介しよう。