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日本初公開!モウリーニョ独占インタビュー(前編)「カシージャスとの対立はない」

text by ヴァンサン・マシュノー photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

輝けない新加入選手カシージャスとの軋轢

――コエントランの話が今出ましたが、移籍に関するあなたの失敗を語るべきときではないですか。

「全体を総括したいのであれば公正にやるべきだ。それは君にも言いたいし、会長やGMにもはっきりさせたい。ここではケディラを誰も知らなかった。

 暫定的に移籍の仕事に携わっている人間(バルダーノ)は、彼がどんな選手であるのかまったくわからなかった。そんな選手と契約を結んだんだ、私の責任で。エジルに関しても名前こそ知ってはいたが、確信は持っていなかった。

 だが今、彼はここにいる。ケディラは契約最後の年だったから、とても安く獲得できたし、エジルもブレーメンと契約問題がこじれていた。だから1500万ユーロで済んだんだ」

――他にもアルティントップやシャヒン、コエントランらがいます。

「アルティントップ? 彼はスポーツ面でうまくいかなかったが、収支の面では成功だった。まったくの0ユーロで契約を結べたのだから。怪我をしていたが、それは私の責任ではない。私がメディカルチェックをしたのではないのだから」

――しかしコンディションを崩しているのはわかっていました。

「だから私は検査してないと言っているだろう。そのうえ移籍させることで利益を得た。ただで放出したわけじゃない。戦力面ではうまくいかなかったが、経済的にはとてもよかったわけだ」

――それではシャヒンは?

「彼はレアルに籍はあるがリバプールにレンタルしている。つまり彼のために1ユーロも使ってはいない。リバプールがすべて負担しているからな。

 まだ若いし、プレミアでプレーすることで成長するだろう。明日にでも買い手がつけば、喜んで売るさ。わかっただろう、誰の場合も間違ってはいないことを」(編注:その後、シャヒンは古巣ドルトムントへ完全移籍)

――移籍で過ちは犯していないという認識なのですね。

「過ちは誰だって犯す。チェルシーを見ろよ。ドログバはクラブ史上最高の選手だが、私がロマン(アブラモビッチ)の金を使って契約を結んだ。当時のイングランドでは、誰1人として彼を知らなかったが、あれだけの成功を収めた。

 他の例をあげれば……チアゴはチェルシーでさほど活躍しなかったが、リヨンにはベンフィカに支払ったよりも高い値段で売れた。経済的側面を無視するべきじゃない。とても大事なことだ。

 スポーツ面ではうまくいかなくとも、収支で利益を得られればそれでいい。ただときどきどちらもうまくいかないことがあるから、そうなるとリスキーだが…」

――あなたは自分が批判されていると思っていますが、自分自身でしばしば論争の種を蒔いています。

「それはどんな?」

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