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攻撃面でヘルタを牽引する細貝萌。日本代表でのポジション奪取を期待させる万能ボランチへの進化

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

積極的に飛び出していく意識の高さ

 ボランチである細貝は攻守のバランスを取る役割を担うが、機を見て一気にゴール前まで駆け上がる意識が高まっている。ニュルンベルク戦の開始3分には相手のクリアボールをバウムヨハンが拾ったところで中盤から飛び出し、右からのクロスに合わせに行った。

 最後はボールをキャッチに行ったGKシェファーと接触したが、驚かされたのはそのタイミングだ。

 バウムヨハンがマッチアップするバリッチュを制してボールを触る前に、躊躇なくスタートを切り、サイドの展開からクロスが出る時点ではFWのアドリアン・ラモスやアラギと同じ高さまで上がっていた。

 味方がもしボールをキープできなければ、ヘルタ・ベルリンにとってはピンチになりかねないが、行けると判断した時には迷わず行くという姿勢を細貝が持っており、またチームで許されている証拠だろう。

 スローインを起点とした攻撃からアラギが同点ゴールをあげた場面でも、ベン・ハティラ、アドリアン・ラモスとともにペナルティエリア内に入り込み、積極的にパスを引き出し、こぼれ球に飛び込もうとした。相手の守備にかける人数にもよるが、中盤の組み立てだけでなく、チャンスがあればフィニッシュに参加するという意識の高さを表している。

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