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香川真司 11年前

なぜ強豪相手に起用されないのか? 香川を“知らない”モイーズ監督の序列から検証する

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

攻撃面ではレギュラーレベル

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攻撃面での貢献度が高いとは言えないバレンシア【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 悲観的な見方になってしまったが、香川にまったくのチャンスがないわけではない。というのも、バレンシアのウイングとしての守備力は、世界トップクラスかもしれないが、攻撃面での状況判断が非常に悪く、大きく足を引っ張ってしまっている。強豪相手に守備面でバランスをとるための起用はあっても、継続的に起用されるかは疑問だ。

 同様にウェルベックもセンタフォワードとして出場したスウォンジー戦では素晴らしい活躍をしたが、チェルシー戦では微妙。

 ウイングでもセンタフォワードでもハードワークして、なおかつ長いリーチをいかしてボールを奪いきれる守備面点は評価出来るが、ウイングにおける攻撃面では、足下で受けても何も出来ず、ウイングにおける適正が低いことを改めて露呈した。

 今後は身体能力の高さを活かした裏に抜けるプレーを期待され、センタフォワードでの起用が増えるのではないか。

 一方、香川は攻撃面において、ペナルティーエリア内でゴールもしくはアシストで決定的な仕事をするという武器がある。

 昨季序盤こそ相手の球際の寄せに対応出来ていないシーンも目立ったが、シーズン終盤やコンフェデレーションズカップでのパフォーマンスを見る限り、世界トップレベルの寄せにも段々対応出来るようになってきた。繰り返しになるが、守備面はともかく攻撃面は強豪を相手にしても戦えるとみて問題ないだろう。

 また、昨季序盤は周りとのコンビネーションにも難があったが、香川が出場する直近数試合を見る限り、キャリック、ルーニーは香川のスタイルに理解を示している上、スタイルが近いクレバリーも今季はスタメンに定着しているのは好材料。

 であるならば、守備的なリスクを冒せる下位相手で香川の起用は十分可能。実力に問題がなく、周りとのコンビネーションにも問題がないなら、あとはいかに監督にアピールするかである。

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