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リバプール、補強資金大量投入も未知数。戦力入れ替えで指揮官の手腕問われる1年に【欧州ビッグクラブ補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

【欧州ビッグクラブ補強診断】リバプール、補強資金大量投入も未知数。戦力入れ替えで指揮官の手腕問われる1年に
リバプール 予想フォーメーション

補強診断 C

 昨夏のスアレスに続きスターリングを売却して多額の資金を手にしたにもかかわらず、相変わらずの交渉下手が響いている。ブレンダン・ロジャース監督の戦術にマッチしないベンテケの獲得に3250万ポンド(約60億円)、プレミア初挑戦のフィルミーノに2900万ポンド(約54億円)はあまりに割高だった。

 他に獲得した選手たちはミルナーとクラインを除いて小粒な印象が否めず、トップ4を目指すには未知数な新戦力の爆発に頼らなければならないだろう。ジェラードとスターリングの穴を埋められず、苦しむ姿が透けて見える。

 マリオ・バロテッリら不満分子になりうる余剰戦力の整理には成功したが、懸案事項だった左SBは右利きの若手ジョー・ゴメスがレギュラーを務めるなど問題解決に至っておらず、CBの層は不安定。少しのほころびで中位以下のチームになりかねない現状は厳しいと言わざるを得ない。

総合力診断 C+

 スターリングとジェラードが去ったことで“小さくまとまった”チームになってしまった。スアレスに続き絶対的主力が抜けた穴をいかに埋めるかという課題は残されたままになっている。

 開幕戦から2連勝を飾ったのは運もあった。コウチーニョが大ブレイクの予感を漂わせるが、ベンテケは未だ期待外れ。フィルミーノもいまのところ適応に苦しんでいる。そしてダニエル・スターリッジは復帰が遅れており戦力として計算できない。

 中小クラブのように戦力をガラッと入れ替えたことが功を奏するのか、それともチーム作りを難しくするのか。プレミアリーグのトップを狙うマンチェスター勢やチェルシーに比べて実力そのものはかなり落ちるが、ロジャース監督の手腕が問われる1年になる。

【了】

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