INAC神戸レオネッサは11月8日、2025/26 SOMPO WEリーグ第13節で三菱重工浦和レッズレディースと対戦し、1-2で勝利した。首位攻防戦を制したことで、2位の浦和との勝ち点差は5となっている。2得点に絡み、勝利に貢献した成宮唯は「毎試合レベルアップしたINACを見せられてる」と手応えを口にした。
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INAC神戸レオネッサ成宮唯が自身のゴールを振り返る。「ゴールへの執念っていうところでは…」
【写真:© WE LEAGUE】
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首位・INAC神戸と2位・浦和による上位対決は最後まで目が離せない展開だった。
序盤から攻守の入れ替えが目まぐるしく、球際も激しい。INAC神戸は出足が速く、浦和に対して、武器であるハイプレスをかけていく。
高い位置からの連動したプレスは見事にはまり、浦和の得意とするビルドアップからゴールへと迫っていくサッカーを展開させなかった。
前半16分の先制点はまさに連動性のあるプレスから生まれた。
トップの吉田莉胡がプレスを掛けて浦和守備陣を追い込むと、成宮が中盤へのパスコースを切りながら挟み込んでボールを奪取。そのまま突破して右サイドへ持ち上がり中に鋭くカットイン。左足を振り抜き、先制点を奪った。
「ゴールへの執念っていうところでは前線の選手は責任を持ってやっています。きょうはアップで左のシュートがすごく感触が良かったので、1本振ってみようっていうところで、良いコースに行って良かったなと思います」
成宮はプレスの精度について、「基本的にINACはみんな走れるので、守備の基盤となるところに走力っていうところは守備の部分ではなくて。監督もよく言ってるんですけど、『守備も攻撃だよ』っていうところで、よりみんなが一体感を持って守備できている。プレスの強度は他チームに比べて本当に高いのかなと思います」と語り、自信を深めているようだ。
後半の77分に浦和のコーナーキック(CK)から高橋はなにヘディングシュートを決められ、同点とされるが、INAC神戸は最後まであきらめなかった。
「もちろん22試合分の1でしかないんですけど」。成宮唯が思う浦和との首位攻防戦を制した意味
【写真:© WE LEAGUE】
試合終盤、アディショナルタイム。INACはCKからゴール前で何度もシュートを放つ。大混戦の中、成宮はペナルティエリア手前からふわりとボールを浮かせるように蹴った。これがクロスバーを直撃し、水野蕗奈が頭で押し込んで決勝点となる。
「たぶん5回ぐらい、みんなバコバコ打ってて、入ればいいなとは思ったんですけど、結構むやみやたらに打ってもあれだなと思った。ちょうど右隅が空いてたので、ああいうボールの方が嫌かなと思って」と冷静に振り返った。
成宮は2得点に絡むだけでなく、走力でも相手に負けなかった。相手の嫌がる場所に顔を出し、自由自在にプレーした。
「監督も始まる前から相手は絶対に落ちてくる(と話していた)。本当に走力の部分ではチーム全体として自信を持ってるところではありますし、自分ももちろん落ちてきますけど、それなりに相手が落ちてきてもそれより走れる自信もあるので、走り負けるところはあんまりいつも心配してなくて。後半は割と自由にやらせてもらってる試合が多いかなと思います」
まだ前半戦を折り返したばかりだが、優勝争いを占う意味でも2位・浦和との直接対決は重要な一戦だった。
「もちろん22試合分の1でしかないんですけど、前期引き分けて、本当に優勝するには(日テレ・東京ヴェルディ)ベレーザとレッズにやっぱり勝ち点を積み重ねないと。他ももちろん大事なんですけど、そこのチームに勝ち切る力が必要だなっていうのは2位が続いた3シーズンあったので、すごく良い波に乗れるのかなとは思います」
WEリーグ初年度以来、4シーズンぶりの優勝へ、この好調ぶりをどこまで維持できるのか。試合終盤で浦和を相手に勝ち切ったことは大きな自信となっていくだろう。
(取材・文:竹中愛美)
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