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元なでしこジャパン海堀あゆみと近賀ゆかりが語るWEリーグ1万人プロジェクトの意義。「女子サッカーって面白い。今は機運作りに」

text by 竹中愛美 photo by Editor
WEリーグ年内ラストマッチをPRする元なでしこジャパン 海堀あゆみ 近賀ゆかり

WEリーグ年内ラストマッチをPRする元なでしこジャパンの海堀あゆみ(右)と近賀ゆかり(左)【写真:編集部】



 元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)で、現在は日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)で理事を務める海堀あゆみと特任理事の近賀ゆかりが12月17日、東京都内で年内最後となるWEリーグの試合のみどころをアピールした。
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元なでしこジャパンの海堀あゆみと近賀ゆかりがWEリーグ年内ラストマッチをPR

 今週末20日の2025/26 SOMPO WEリーグ第14節では、クリスマスを一足早く味わえるイベントが行われる。

 AC長野パルセイロ・レディース対日テレ・東京ヴェルディベレーザでは、1万人プロジェクトを実施。選手が監修した特別デザイン「ライオークリスマスTシャツ」が小学生以下限定で先着1000名に配布されるほか、選手がセレクトした店が集結するクリスマスマーケットも開催される。

 サンフレッチェ広島レジーナ対ノジマステラ神奈川相模原では、エディオンピースウイング広島初となるクリスマスイベント、「サンフレッチェバイオレットクリスマス」を開催。

 先着10000名にはサンタ帽子やソックスの形をした袋にもなる「2WAYレジーナバイオレットサンタ帽ソックス」がプレゼントされる。現在8000人ほどの見込みとのことだが、1万人の来場者を目指している。
 
 昨季、広島で現役を引退した近賀は、「レジーナは昨シーズン2万人を達成したが、今年も多くの皆さんに来ていただきたい。WEリーグや女子サッカーを盛り上げることを目標にもしているので、クリスマスの前に親子でイベントと試合を楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛けた。

 INAC神戸レオネッサOGの海堀は、セレッソ大阪ヤンマーレディース戦で、セレッソ大阪OBの酒本憲幸とにらめっこ対決をし、観客の盛り上げに一役買うようだ。

「選手たちがSNSを使って、チームの魅力をどちらが伝えられるかなど、いろんなイベントをやっているので、行く機運を作ってもらえたらすごく盛り上がるのかなと思う。ピッチの中と外と一緒に皆さんで楽しんでもらえたらいいのかなと思っています」

 WEリーグは今季、5年目のシーズンを迎えた。

 昨季はジェフユナイテッド市原・千葉レディース対大宮アルディージャVENTUSで、最多入場者数記録となる26605人が詰めかけるなど、年間総入場者数(クラシエカップも含む)は過去最多の337290人を記録。

 今季はここまで13試合を終えて、平均入場者数は2017人。年々、来場者数は増えているが、今季の最多入場者数は第2節の広島対神戸の9677人とまだ1万人の大台には届いていない。

「WEリーグの価値がどんどん上がっていくところですごく意味がある」

WEリーグ年内ラストマッチをPRする元なでしこジャパン 海堀あゆみ 近賀ゆかり

WEリーグで理事を務める海堀あゆみ(右)と特任理事の近賀ゆかり(左)【写真:編集部】

 WEリーグの理事を務める海堀は「(今回は長野が挑戦している)1万人プロジェクトはリーグとしてもサポートをしながら取り組んでいる。集客の山を作ることでチームの魅力を伝える機会を創出する。まず(スタジアムに足を運ぶ)1歩が中々遠いと思うので、皆さんと一緒にやっていきたい」と語った。
 
 1万人プロジェクトの先駆けとなったのは広島で、昨季、選手自らが企画や運営に積極的にかかわり、地域との結びつきを強めた。

 WEリーグは今年から1万人プロジェクトを推し進めたいクラブを積極的にサポートしているといい、今回の長野で4つ目だという。

 近賀は昨季、広島でプレーしていたときに1万人プロジェクトの目標を達成しているだけに、ノルマ達成というプレッシャーとそれを達成したときの喜びも味わっている。

「(選手たちが)集客のところに目が向いて、意識がいっているのは悪くないというか、良いことだなと思います。いろんなクラブと切磋琢磨して、WEリーグの価値がどんどん上がっていくところですごく意味があることかなというふうに思っています」

 海堀も多くのファン・サポーターが来場することの意義についてこう語る。


 
「今までだったらたぶん女子で1万人って無謀だろうみたいな。なでしこジャパンを知らなかった、(ワールドカップで)優勝する前みたいに、『そんなに面白いの?』とか、そういう価値観の人も多かったのかなと思うんですけど、

 レジーナさんがみんなで一体感を持ってやったことがいろんな人に女子サッカーの魅力を伝えてくださった。『あ、できるかも』だったり、『女子サッカーって面白いね』みたいなことがどんどん(増えて)、今は機運作りになっていると思う」

 さらに、多くの観客がスタジアムに入ることで、選手たちはいつも以上にパワーが引き出されるという。

「(選手たちが)いつも以上に輝いて見える。選手がいくら頑張っても作れない景色でもありますし、雰囲気でもあるし、そこはクラブやサポーター、メディアの皆さんと協力するからこそできる世界観だったりすると思うので、皆さんと一緒にこれから女子サッカーがさらにステップアップできるようにやっていけるといいかなと思います」

 年内最後のラストマッチだから。クリスマスイベントでプレゼントがもらえるから。来場するきっかけは何だっていい。そこで女子サッカー、WEリーグの魅力に気付いてもらえれば、きっとまた足を運びたくなるのではないだろうか。
 
(取材・文:竹中愛美)

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【了】

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