FIFAワールドカップ26開催まで、残り3カ月を切った。待ちに待った4年ぶりの大会だが、今回はいつもと違い、世界情勢が悪い中で開催される。すでに米国のホテル業界は、売上目標未達を懸念し始めていると、米経済誌『フォーブス』が19日に報じている。
夏のワールドカップ、今回は大きな経済効果が期待できない?
カタールW杯が開催された2022年には、ロシアがウクライナを侵攻し、多くの人々が犠牲になる戦争が勃発した。
それから4年経った現在も、その戦いが終わる気配はない。
そうした状況の中、2月28日に米国がイスラエルと共にイランに対して大規模な軍事作戦を実施したことで、さらなる紛争が巻き起こった。
イランはイスラエルだけでなく、周辺国の米国軍基地を爆撃し、カタールのガス施設を攻撃したりホルムズ海峡封鎖したりと、世界経済にも大きく影響する作戦を実行している。
それはサッカー界にも多大な損害を与えており、夏に開催されるW杯の収益見通しが立たなくなった。
特に致命的な影響を受けているのが、米国のホテル業界だという。
同紙によると、大会期間中の客室あたり収益について6月は+1.2%、7月は+1.5%を見込まれており、わずか1カ月前の予測+1.7%から、さらに下方修正されたとのこと。
そもそも今回のW杯は、これまでの32カ国から48カ国に参加チームが増えており、グループステージの注目度は比較的低いと見られている。
それでも自国代表が勝ち進むと、チケットを持たないファンも開催都市に押し寄せ、ファンフェスなどで観戦する傾向があるため、7月には予約状況が回復する可能性もあるようだ。
ただし、今回は一部の開催都市でファンフェスの縮小や中止が決まっており、過去の大会ほどの盛り上がりが生まれないことが懸念されている。
なによりも、暗い影を落としている原因は、中東情勢悪化だけではない。
米国のドナルド・トランプ大統領が、SNS履歴の提出を求める案を出したことで、入国審査が厳しくなる見込みとなった。
また、ビザ関連費用の増加も予想され、観光を抑制しかねない政策が次々と打ち出されている。
国際サッカー連盟(FIFA)は巨大な経済効果を期待しているが、予想外の低迷に終わるかもしれない。
それを踏まえ、同紙は「経済の不透明感や地政学的緊張、さらに海外からの旅行者減少が続くという“トランプ不況”を背景に、これまで期待されていたW杯によるホテル需要の大幅な押し上げ効果は、実現しない可能性がある」と伝えている。
