UAE1部のアル・アハリ・ドバイに所属する31歳のイラン代表FWサルダル・アズムンが、予期せぬ事態に巻き込まれた。イラン当局の怒りを買ったことで、夏のワールドカップに参加する可能性が極めて低くなったと、カタール紙『アルジャジーラ』など複数のメディアが19日に報じている。
サルダル・アズムン、W杯出場の立役者だが…
事の発端は、2月28日に米国がイスラエルと共にイランに対して大規模な軍事作戦を実施したことにある。
米国とイスラエルによる空爆でイラン最高指導者のアリー・ハーメネイー師が死亡したことを受け、UAEに対してロケット弾やドローンによる攻撃を行っている。
中東情勢が悪化する中、アズムンはドバイの首長モハメド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム氏との面会写真を自身のインスタグラムに投稿。
これが不忠行為に当たるとして、イラン当局の反発を招き、アズムンが代表から外されたという。
代表チーム内部の関係者の話として、英メディア『ロイター』などもイランの情報筋をもとに報じている。
イラン・イスラム共和国サッカー連盟から公式発表はないものの、もし上の立場の人間から追放の命令があれば、従わざるを得ないだろう。
同メディアによると、国営メディアでサッカー解説を務めるモハマド・ミサギ氏が、アズムンの行為について「状況を考える事なく、どのような行動が適切か理解できないのは残念だ。
こうした人物には遠回しな言い方は不要だ。
代表のユニフォームを着る資格はないと、はっきりと伝えるべきである。
このような拗ねた子どもじみた行動には我慢できない。
代表選手は国歌を誇りを持って歌い、そのユニフォームに相応しい存在であるべきだ」と、強く批判したとのこと。
イラン代表は、安全が保障されないW杯の米国開催を懸念し、メキシコへの開催地変更を国際サッカー連盟(FIFA)に提案した。
しかし、FIFAは要請を却下。それでもイラン代表は諦めておらず、改めて米国開催を拒否する構えを見せている。
この問題は解決していないが、たとえイラン代表のW杯参加が正式に決まったとしても、絶対的主力を失うことになりそうだ。
アズムンは2014年に19歳で代表デビューして以降、通算91試合で57得点17アシストを記録しているストライカーだ。
W杯のアジア予選を史上最速で突破した日本代表でさえ、苦しめられたことがある選手であり、実際2024年のAFCアジアカップ準々決勝では、アズムンの活躍によって日本は敗退に追い込まれた。
それだけ脅威となる選手にもかかわらず、W杯に出場できないとなれば、イランの大幅な戦力ダウンは免れないだろう。
