イラン代表のワールドカップ(W杯)2026出場が不透明な中、本大会に参加するウズベキスタン代表やカタール代表といった他の“中東勢”も、紛争勃発による大きな被害を受けた。それぞれの代表が直面する課題について、英紙『ガーディアン』が24日に分析している。
当事国のイランを筆頭に、周辺国も影響大
カナダ・メキシコ・米国による三カ国共催のW杯になったことで、出場枠が従来の32カ国から48カ国に増えた。
それによってウズベキスタン、ヨルダン、カーボベルデ、キュラソーという初出場のチームが誕生。
さらに、今後のプレーオフの結果次第で、北マケドニア、スリナム、アルバニア、コソボ、ニューカレドニアにも本大会出場の可能性がある。
まさに、悲願の初出場を成し遂げる国がたくさんある大会が、今回のW杯だ。
しかし、米国がイスラエルと共に2月28日、イランに対して大規模な軍事作戦を実施したことによって中東情勢が悪化。
当事国のイランを筆頭に、周辺国のカタール、UAE、ウズベキスタン、イラク、ヨルダン、サウジアラビアにも影響が拡大し、空域制限などで大会中止などの予期せぬ事態に巻き込まれている。
まず、イランに関しては、米国との関係が複雑化したことで、米国開催の試合をメキシコに変更するよう国際サッカー連盟(FIFA)に要請するも却下された。
それでもイランは諦めておらず、W杯参加を望む一方で、断固として米国開催を拒否しており、依然として出場できるかどうか不明となっている。
カタールにおいては、国内で開催予定だったカタールサッカーフェスティバルを中止せざるを得ない状況に追い込まれた。
それによって参加国のカタール、アルゼンチン、スペイン、サウジアラビア、エジプト、セルビアの6チームの試合スケジュールに影響が出ている。
いくつかの試合は会場変更で対応しているが、スペイン対アルゼンチンのスーパーカップ(フィナリッシマ)については完全に中止。
世界的なスポーツの中心地として地位を築いてきたカタールにとっては、評判に傷がつく痛手となった。
そして、ウズベキスタンは代表選手の多くがイランのクラブでプレーしているため、軍事衝突による活動中止により、帰国の途についている。
ただ、これには良い面と悪い面があるようだ。
同紙は「ウズベキスタンにとって、W杯に向けた準備の中で試合出場機会の少なさは課題となり得る。
その一方で、より多くの選手が国内にとどまっている状況は、ファビオ・カンナヴァーロ監督にとって必ずしも悪いことではないかもしれない」と見ている。
早い段階からチームがまとまり、連携を深める時間が作れることになりそうだ。
また、イラクはW杯出場をかけて大陸間プレーオフに臨む予定だが、選手たちに大きな負担が生じている。
最初は空域制限によって多くの選手が地域外へ出られない状況となり、試合開催自体が危ぶまれていた。
その状況を打開すべく、FIFAは陸路で25時間かけてトルコへ移動してもらい、そこから空路で出国する案を提示したが、現実的ではないとして却下された。
代替案として、ヨルダンまで比較的短時間で移動し、そこからメキシコへチャーター便で向かうプランを新たに提示。
これが受け入れられ、イラクの選手たちはメキシコへの移動が完了している。
W杯出場国ではないものの、レバノンも危機的状況だ。
イスラエルの攻撃に見舞われており、リーグ戦は少なくとも4月末まで全試合が延期。
レバノンは3月31日にイエメンとのAFCアジアカップ予選という重要な試合を控えているが、これも延期の噂が流れている。
これらを踏まえ、同紙は「米国とイスラエルがイランを攻撃し、中東を戦争状態に陥れてから3週間余りが経った。
中東のサッカー界は、この紛争の余波への対応に苦慮している」と伝えた。
