ワールドカップ(W杯)2026開幕まで3カ月を切った。それに向けて全ての出場国が決まりつつあり、いよいよ盛り上がっていきそうだ。しかし、高額なチケット、米国のドナルド・トランプ政権に対する不満、渡航に関する制限がファンを苛立たせている。ドイツメディア『DW』が26日にファンに取材し、今感じている本音を聞き出した。
北中米ワールドカップ、チケット高すぎ問題
カナダ・メキシコ・米国による三カ国共催の大会になったことで、従来の32カ国から48カ国に参加チームが増加した。
それによって全体的な試合数も増え、関わる国もかつてないほど多い。
その中でも熱狂的なサポーターを擁しているのが王国ブラジルだ。
例えば、ブラジル人のチアゴ・ペサオ氏は2014年に母国で開催されたW杯で23試合、4年後のロシア大会では17試合を観戦したという。
当然、今回の北中米W杯も観戦予定で、3万~4万ドル(約480万円から約640万円)も費やすことになるようだ。
ブラジル代表のグループリーグ3試合、そして決勝トーナメントの試合を含め、ブラジルとの往復航空券代、米国内線、宿泊費。ブラジルが勝ち進めば、さらに費用が積み上がると予想される。
カタールW杯では合計1万ドル(約160万円)ほどだったことを考えると、今大会は非常に大きなお金が必要になっているようだ。
ペサオ氏は同メディアのインタビューに対し「たくさんの試合を観戦するのが大好きなんだ。
しかし、今回のW杯はチケットが高すぎるので、今のところはブラジル代表の試合だけを観戦するつもり。
特に決勝のチケットは4000ドルから5000ドル(約64万円から約80万円)もするんだよ!
高すぎるとは思うが、それでもブラジルが決勝に進出したら、絶対に観戦したい。
他の人は違う考えかもしれないが、私にとってはそれがモチベーションになっているんだ」と答えている。
ただ、開催国に対する懸念もあり「これまでのW杯と比べて、敵意や周囲の環境が試合にどのような影響を与えるのか、少し心配だ。
スタジアムや都市部にICE(米国移民税関執行局)があることで、雰囲気が悪くなると思う」と述べている。
裕福な人にとっては解決できる問題かもしれないが、一般的な人にとっては費用の多さはW杯観戦を控える要因になり得る。
米国人のアダール・メルガル氏は「チケット購入の際には、かなり高額になるだろうと覚悟して臨んだつもりだったが、想像を遥かに超える金額だった。
今、私自身、倫理的な葛藤を抱えている。
トランプ政権とFIFAのやり方に腹が立っており、W杯をボイコットしたい気持ちもある。
例えば、ファンゾーンへの入場料を徴収するなんて、前代未聞だよ。これは金儲け主義だと感じる」と語った。
また、ビザ発給問題も深刻だ。
ヨルダン人のガジ・アル・サムイー氏は「ヨルダン人ファンの申請を詳しく調べてくれるよう、米国大使館に協力を求めている。
申請はしたが、今のところ何の返事もない。
私たちの申請はそこで止まったままだ」と証言し、ビザ申請が保留または却下された事例が多数あることを明かしている。
