ワールドカップ(W杯)2026開幕が約3カ月後に迫る中、国際サッカー連盟(FIFA)は問題山積みとなっている。その主な原因は、米国のドナルド・トランプ大統領の政策によるものだ。もはやFIFAは面目丸潰れであると、米紙『SBネーション』が25日に報じている。
ワールドカップ開催国の米国が、紛争の当事者に
カナダ・メキシコ・米国の3カ国共催で開催されるW杯の組み合わせ抽選会が昨年12月に行われ、各4チームずつ分かれた12グループの組み合わせが確定した。
そのイベントが行われる前、開催国の一つである米国のトランプ大統領に対し、FIFAが史上初となる「FIFA平和賞」を授与している。
ロシアのウクライナ侵攻が2022年2月24日に始まり、その紛争を解決すべく、米国が仲介役として和平協議を行なっていたこともあり、その時までは妥当な判断だったかもしれない。
しかし、2026年1月3日に米国がベネズエラに大規模な軍事攻撃を実施し、政権転覆を狙った。
その作戦が成功したことで、数日もかからないうちにベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は拘束されている。
そして、2月28日には、米国がイスラエルと共同でイランに対して大規模な軍事作戦を実行して、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー氏を殺害した。
その紛争の過程で民間人にも犠牲者が出ており、学校が爆撃されて約170人の子どもが死亡している。
ただ、ベネズエラの時とは違い、紛争は長引いている。
ホルムズ海峡封鎖によって多くの石油タンカーが足止めを食らい、世界経済に深刻なダメージを与えている。
サッカーに関して言えば、イランを筆頭に周辺国にも空域制限が設定されたことで、大会中止や試合延期、移動困難といった状況が生まれている。
イラン代表はW杯参加を望んでいるものの、試合の米国開催は拒否しており、まだ問題は解決していない。
さらに、トランプ大統領はビザ保証金試験プログラムを導入し、米国入国を厳格化した。
これは特定の国籍を持つビザ申請者に対して、最大15000ドル(約240万円)の保障金を要求し、米国入国時に受け取る政策である。
50カ国が指定されており、そのうちの5カ国(セネガル、チュニジア、アルジェリア、カーボベルデ、コートジボワール)はW杯出場が決まっている。
選手、スタッフ、関係者、ファンなどが影響を受けるため、FIFAはトランプ大統領に例外措置を求めているが、交渉はまとまっていない。
いずれもトランプ大統領が発端となった問題が多く、同紙は「2026年のFIFAW杯は、インファンティーノ会長が米国のトランプ大統領に初のFIFA平和賞を授与した瞬間から、すでに茶番と化している」とし、「トランプ政権が導入した新たな連邦ビザ制度によって、W杯に参加しようとするファンや選手から金を搾り取ろうとしている。
まさに政府による恐喝であり、FIFAは大会運営の維持が危うくなっている」と指摘した。
たとえ後に返金されるとしても、各国の平均給与を考えると、保証金を支払うこと自体が現実的ではない。
イランの問題に加えてビザの問題と、複雑な状況が積み重なっており、W杯開幕まで時間がない中でFIFAは対応に追われている。
