待ちに待ったワールドカップ(W杯)開幕まで2カ月半を切った。まもなく出場48カ国が全て出揃い、いよいよ本大会へ向けて準備が整う段階にある。その矢先、にわかに浮上したのが、複数の国がW杯参加をボイコットする可能だ。前代未聞の事態を、ケンブリッジ大学政治・国際関係学部の元研究部長であるジョン・カイガー教授が予測している。南アフリカの主要メディア『SABC』が30日に報じた。
ワールドカップ開催国の一つが、紛争の当事国に
これまでのW杯とは違い、今大会はカナダ・メキシコ・米国の3カ国共催で行われ、史上最多のチーム数で優勝を争うことになる。
開催国の3チームは自動的に本大会出場が決まっており、そのうちの一つである米国代表も予選なしでW杯に臨むことになった。
グループリーグではパラグアイ、オーストラリア、コソボかトルコの勝者と同組のグループDに入っている。
しかし、そのグループDを含め、W杯全体に異変が起きるかもしれない。
事の発端は、米国がイスラエルと共に2月28日、イランに対して大規模な軍事作戦を実施したことにある。
その過程でイランの最高指導者アリー・ハーメネイー氏が殺害されたのだが、紛争は続いており、対立激化の一途を辿っている。
米国の地上作戦が実行された場合、さらに長期間の戦闘状態に陥る可能性もあるだろう。
問題は戦争の当事国である米国が、W杯の開催国の一つでもあることだ。
米国のドナルド・トランプ大統領は当初、イランとの戦いが4~5週間続くと見込み、それまでに解決すると高を括っていた。
だが、争いはすでに5週目に突入しており、米国は中東に3万5000人以上の兵力を派遣。戦闘も空爆中心から、海上輸送路や石油インフラを巡るより広範な戦いへと拡大している。
それを踏まえ、カイガー教授は「もし戦争が非常に短期間で終われば、世界は米国がW杯の開催国であることを忘れ、誰もが大会に参加し、ボイコットは起きないでしょう。
しかし戦争が長引けば、いくつかの国が参加を見送ると言い始める可能性が高い。
それはトランプにとって打撃になり、彼のプライドを傷つけることになるでしょう。
なぜなら、W杯が米国を含めた3カ国で開催されるのは今回が初めてであり、トランプ自身も今大会を大きなイベントにしたいと考えているからだ」との見解を示した。
現時点でW杯不参加の可能性が浮上しているのはイランである。
トランプ大統領がSNSを通じ「イラン代表の出場は歓迎されるが、彼らの生命や安全にとって適切ではないと思う」とのコメントを残したことで、安全面を懸念したイラン側が該当試合の米国開催変更を国際サッカー連盟(FIFA)に求めている。
FIFAはメキシコ変更案を受け入れず、交渉はまとまっていない。
W杯開幕までの残り2カ月半の間に、世界情勢がより一層悪化する可能性もあり、そうなれば本大会参加をボイコットしようと考える国も現れるかもしれない。
