
ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド【写真:Getty Images】
北中米W杯・ラウンド16でブラジル代表を撃破し、自国史上初となる準々決勝の舞台に立ったノルウェー代表。エースのアーリング・ハーランドは、優勝候補のイングランドを前にしても謙虚な姿勢を崩さない。「自分たちのチャンスは低い」と繰り返す、この徹底した「格下」ポーズは、果たして本心なのか、それとも計算なのか。
「彼はずる賢い。すべての責任を…」
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大会屈指のスコアラーでありながら、アーリング・ハーランドの言葉はどこまでも控えめだ。
現地時間7月9日のスポーツメディア『ESPN』の報道によれば、同氏がノルウェーの優勝の可能性について問われると「依然としてかなり低い」と回答したようだ。
むしろ「優勝候補の一角であるイングランドにこそプレッシャーがかかるべきだ」と、記者たちに冗談交じりに呼びかけた。イングランド生まれ、マンチェスター・シティ所属という特殊な立場から、この一戦を「自分にとって特別な試合」とも語っている。
この“謙虚な”姿勢は今大会を通じて一貫している。グループステージ最終節、フランス戦を控えた場面でもハーランドは「そこまで気にしていない」と結果への執着を見せず、フランスが自分たちを破って優勝もするだろうと述べていた。
そしてノルウェーはフランス戦で大胆なターンオーバーを実施し、肝心なハーランドはベンチでその試合を終えた。1-4で敗れたものの、すでにグループステージ突破を決めていたノルウェーにほとんどダメージはなかっただろう。
決勝トーナメント1回戦ではコートジボワールを破ってラウンド16に進出し、さらにW杯最多優勝国ブラジルまで撃破するという躍進を続けている。ハーランド自身も2試合連続ゴールを記録し、ブラジル戦では2得点をあげる活躍だった。
ブラジルとの大一番の前にも、ノルウェーのストライカーは「勝つ可能性は極めて低い」と発言。「現実的にならなければいけない」とも語り、ひたすらにチャレンジャーであることを強調していた。
「格下」を自称しながら結果を出し続ける。過度な期待を自ら口にせず、外部評価を意図的に低く保つことで、プレッシャーを相手側に押し付ける。これは謙遜というより、一種の心理的なマネジメント術と捉えるべきだろう。
実力に見合わない低い自己評価を発信することで、周囲の期待値をコントロールし、自身とチームを身軽な立場に置く。結果が出れば「サプライズ」として称賛され、出なくても「もともと格下だった」と説明がつく。
ブラジル代表MFブルーノ・ギマランイスも同国のメディアプラットフォーム『CazéTV』を通じて、試合前に「彼はずる賢い。すべての責任を自分たちから外し、こちらに押し付けようとしている」と指摘した。
ノルウェー国内の熱狂について問われた際には「これはノルウェーにとって普通のことではない」と、自国の躍進の特別さを率直に認めてもいる。強者としての自覚と謙虚な語り口を両立させるバランス感覚こそ、ハーランドがこの舞台で結果を残し続ける理由のひとつなのかもしれない。
チャレンジャーから中堅・強豪国への階段を上りつつあるチームにとって、参考になるマインドセットだ。
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