スポーツでこの国を豊かにする【サッカー批評 issue55】

『元Jリーガー・友近聡朗参院議員に聞く、スポーツ基本法の理念と展望』
2011年8月に施行されたスポーツ基本法。この法律によって一体どのようなことが期待できるのか? 法案成立に尽力してきた愛媛FCの元プレーヤーである友近聡朗参院議員に話を聞いた。

2012年12月14日(Fri)18時00分配信

text by 木村元彦 photo Kenzaburo Matsuoka
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スポーツ基本法から見る、Jリーグ百年構想の展望と問題点【写真:松岡健三郎】

スポーツ基本法理念から見る、Jリーグ百年構想の展望と問題点

 2011年8月からスポーツ基本法が施行された。実は日本においてスポーツに関する法律はたったの2本しかなく、1961年のスポーツ振興法より50年ぶりに可決した本法の持つ意味は極めて大きい。成立に向けて奔走した議員、友近聡朗は愛媛FCでJ2昇格に貢献した元Jリーガーである。拙著『争うは本意ならねど』でも紹介したが、友近議員は2007年に我那覇和樹(当時川崎フロンターレ)を苦しめたドーピング冤罪事件の際に、11月の国会文教委員会で日本スポーツ仲裁機構の仲裁を受けようとしないJリーグを追及している。

 スポーツ基本法理念のところから見えるJリーグ百年構想の展望と問題点を語ってもらった。

――基本法の中でまず特に目を引いたのが、国民にスポーツをする権利を保障する「スポーツ権」です。過去、日本のスポーツ法においてこの概念はなかった。これについて語ってもらえますか。

「基本法は2011年6月に成立するわけですが、その前にあった自民・公明案の中にはこのスポーツ権というものはなかったんです。JOCや体協(日本体育協会)に繋がっている先生方は選手にそういう権利を与えることに対して消極的だったんですね。過ぎた話で恐縮ですが、オリンピックに出られたある先生などは『こんなものは法曹界の飯の食い扶持にしかならない』という主張をされていたんです。

 でも我々は目をトップアスリート強化だけに向けるのではなく一般的な市民スポーツとの両輪、好循環をするために作りました。スポーツ基本法には前文があるんです。『スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利である』というものです。これは憲法13条の幸福追求権から導かれていくと思うのですが、個人的な思いとしては、ドイツでプレーしていたころにJリーグ百年構想のまさに100年後の姿を目の当たりにした者として、(スポーツ権には)一番強い気持ちを込めることができました。

 施行したばかりの今はまだこのスポーツ権を論点にした裁判などはないようですが、これからは木村さんもよく言われる体育とスポーツが混合されているところに風穴を空けることができるし、ガバナンスや透明性を求めるひとつの大きなきっかけになるのではないかと思います」

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