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香川真司 11年前

香川真司は、マンUにとって必要な選手なのか?

『快進撃を続けるマンU、しかしそこに香川の姿はない』
マンチェスター・ユナイテッドのファンにとって、チームが勝つのは当然うれしいことだろう。だが、日本人としては少々複雑な気分だ。なぜなら、この快進撃は「香川真司がいなくなってから」始まったからだ。

text by 北健一郎 photo by Kazuhito Yamada

快進撃を続けるマンU、しかしそこに香川の姿はない

 プレミアリーグ17節、首位のマンチェスター・ユナイテッドはサンダーランドを3-1で下した。前半にファン・ペルシ、クレバリーのゴールで2-0とし、後半にもルーニーの追加点で突き放すという、危なげない内容だった。

 マンチェスター・ユナイテッドが好調だ。ここまでのプレミア16試合で43ゴールは全チーム中でダントツの1位。1試合平均2・7点という驚異的な得点力を武器に勝ち続け、2位シティとの勝ち点差を6としている。プレミア奪還に向けて視界は良好だ。

 マンチェスター・ユナイテッドのファンにとって、チームが勝つのは当然うれしいことだろう。だが、日本人としては少々複雑な気分だ。なぜなら、この快進撃は「香川真司がいなくなってから」始まったからだ。

 香川は10月23日のチャンピオンズリーグ、ブラガ戦を最後に左膝の負傷により試合に出場していない。来週から全体練習に合流して、復帰も近いと言われている。とはいえ、戻ってきたとしても、そこに香川の“居場所”があるのかは不確定だ。

滑り出しは悪くなかったが……

 それはチームのシステムに起因する。

 今季、ファーガソン監督は香川を組み込むときに、4-4-2で中盤をダイヤモンド型にしたシステムを採用してきた。しかし、ダイヤモンド型のトップ下として起用してきた香川が離脱したことで、ファーガソンはダイヤモンド型からフラット型に戻した。

 香川は“マンUらしくない”選手だ。そんな選手を獲得した最大の理由は、チームに変化を起こすことにあった。ファーガソンは、これまでのピッチを広く使った攻撃だけではヨーロッパで勝てないと考え、中央の狭い地域を崩していくスタイルを導入しようとした。その切り札が、香川だったのだ。

 滑り出しは悪くなかった。プレシーズンマッチでは、DFとDFの間のスペースに入ってきた香川にパスが集まり、チーム全体に新しいサッカーをやっていこうとする雰囲気が見られた。だが、いざシーズンが始まってみると、思うように結果が出ず、香川にパスが出る回数も少なくなっていった。

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