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日本代表 11年前

オリヴェイラが指摘する、ブラジルとの「僅差」を埋めるために必要なこと

text by 沢田啓明 photo by Kazuhito Yamada, Kenzaburo Matsuoka

もっと頻繁に、厳しい環境で強い相手と戦うべき

――ブラジルの3点目、4点目も日本のミスから生まれました。

「(48分の)3点目は、長友が右CKからのクロスボールの処理を誤り、ネイマールにかわされてシュートを打たれた。吉田の足に当たってコースが変わってゴールに入ったから不運な失点と考える人がいるかもしれないが、至近距離からシュートを打たれた時点で守備陣の負け。(76分の)4点目は、吉田の出した緩いパスがパウリーニョにカットされ、ボールがカカに収まり、カカが吉田をかわして決めた。日本やアジアでなら通るかもしれないパスを奪われ、それが失点に結びついた」

――ネイマールは派手なプレーが話題となりますが、ひたむきさも見せました。

「その通り。後半(66分)、右サイドでゴールラインを割りそうになったボールを必死に追いかけ、折り返した。これを、長い距離を走ってきたボランチのラミレスが押し込んだ。主審はゴールを認めなかったが、ボールはどの時点でもラインを割っておらず、ファウルもなかった。これも誤審で、本当は正当なゴールだった。

 ネイマールに付いていたのは吉田だったが、彼はボールがラインを割ると思い込み、途中で走るのをやめてしまった。また、誰もラミレスをケアしていなかった。守備陣のミスだが、ブラジル選手のゴールへの執念が光った場面でもあった。代表でプレーするとは、こういうことなんだ。この点も、日本選手に見習ってほしい」

――失点に直結したこれらのミスをなくすには、どうすればいいのでしょう?

「ミスを犯した理由は、能力不足ではない。ちょっとした不注意、状況判断のまずさ、準備不足などによるもの。ただ、対戦相手のレベルが低い場合はミスをしても失点にならないことが多く、見過ごされてしまいがち。だからこそ、高いレベルの相手と頻繁に対戦し、課題を検証しなければならない」

――日本は強化試合を国内で行うことが多く、今回は2年4ヶ月ぶりに海外で組んだ強化試合でした。

「もっと頻繁に外国へ出かけていって、アウェイやニュートラルの場所で強豪国と対戦する必要がある。厳しい環境で強い相手と対戦することで、チーム全体と選手個々の問題点が浮き彫りになる。そのことが、チームを強化する上で極めて重要なんだ」

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