オリヴェイラが指摘する、ブラジルとの「僅差」を埋めるために必要なこと

2012年12月30日(Sun)10時09分配信

text by 沢田啓明 photo Kazuhito Yamada, Kenzaburo Matsuoka
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さらなる成長があればベスト8は現実的な目標だ

――日本では、高校を出てJリーグのクラブに入団した選手がなかなかトップチームで出場機会が得られず、試合経験の不足から伸び悩むことが多いようです。

「これは深刻な問題であり、大急ぎで解決しなければならばならない。ブラジルの場合、各州でU-20のリーグ戦が行われており、加えて全国レベルのトーナメントがいくつもある。選手たちは十分な試合経験を積み、結果を出した選手はシーズン途中でもトップチームに昇格する。また、20歳以上で試合に出られない選手の場合は、期限付き移籍や完全移籍が極めて頻繁に行われる。それは、クラブも選手もその代理人も、選手が成長するためには試合経験が欠かせないことを熟知しているからだ。

 日本では(2009年に)サテライト・リーグが廃止されたが、早急に復活すべきだ。また、J1のクラブの若手選手が出場機会を求めて下部リーグのクラブに期限付き移籍したり完全移籍するケースも徐々に増えてきているが、まだまだ少ない。クラブは、選手がトップチームで継続して結果を残せるようになるまでを育成期間と考え、個々の状況に応じてきめ細かくケアしなければならない」

――14年W杯で、日本はどこまで進めると思いますか?

「協会、クラブ、選手のそれぞれがハードワークを継続し、チームがこれからも成長を続けていけば、美しい結果を残せるだろう。グループリーグ突破を目指すのは当然だが、それも首位で突破したい。その先は、ひとつずつ上を目指す。ザッケローニの好指導によって主力選手たちがさらに成長し、加えて若手が台頭すれば、ベスト8は現実的な目標となる」

――「優勝を目指す」と言う選手もいるのですが…。

「世界でベスト8というのは、現在ならスペイン、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、イタリアなどに相当する。つまり、優勝しておかしくない実力を備えていることと同義語だ。だから、選手が優勝するつもりでプレーするのは正しい。自分が日本代表の冒険に監督として参加できそうにないのが、実に残念だよ(笑)。でも、私が日本代表のためにできることがあれば、何でも言ってほしい。協力を惜しまないよ」

【了】

初出:サッカー批評issue59

プロフィール

オズワルド・デ・オリヴェイラ・フィリョ
1950年、リオデジャネイロ生まれ。1999年、コリンチャンスで監督デビュー。翌年、チームを初代クラブワールドカップ王者に導く。その後、サンパウロやサントス、フルミネンセなど多くの名門クラブの監督を務め、カカやロビーニョなども指導。2007年に鹿島アントラーズ監督に就任すると、Jリーグ史上初の3 連覇を達成。今季よりボタフォゴの監督を務める。

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