フットボールチャンネル

編集日記 11年前

『赤き血のイレブン』はトンデモアニメだった!?

明日(10日)発売の『サッカー批評』。加部究氏による人気連載「日本サッカー戦記」では『赤き血のイレブン』を取り上げている。誌面を制作するにあたって資料として映像を見た編集担当の李は衝撃を受けたという。その内容とは果たして…

text by 李勇秀

梶原一騎原作のサッカーアニメ

『サッカー批評』にて、連載「日本サッカー戦記」を担当していますが、1月10日発売号での内容を紹介したいと思います。

「日本サッカー戦記」はライターの加部究さんに執筆いただいていまして、日本サッカー史において、後世に語り継ぐべき試合・人物・出来事などを、当事者たちの複数証言をもとに回想しています。

 そして、次号でテレビアニメ『赤き血のイレブン』でモデルになった浦和南高校のエースである永井良和さんにスポットを当てました。
 永井さんご本人への取材はもちろん、チームメイトや監督などに取材をし、重厚な内容になっています。

 この取材にあたり、名前だけは知っていたのですが、伝説のアニメ『赤き血のイレブン』を初めて鑑賞しました。

 いわゆるスポ根もので、マンガの原作は『巨人の星』『あしたのジョー』の梶原一騎。アニメ放映時には、永井さん宛てにみかん箱一杯のラブレターが届くほどだったとか。

 このアニメ、伝説と言われるだけあって、内容がぶっ飛んでいて強烈なのです。
 永井さんがモデルとなっている主人公の玉井真吾は、全校生徒の前で校長先生が挨拶しているときに、屋上から颯爽と登場します。

 そして校長先生に、「おい、このウェスタンはげ!」と罵声を浴びせるのです。

 ウェスタンはげ……。

 確かに校長は禿げてはいるのですが、この“ウェスタン”って何なんでしょう。悪口なのかすらも不明です。

「ボールは友だち」、翼くんとは正反対

 教室に戻っても、玉井はクラスメイトにケンカをふっかけて、「ボスは俺だ!」と、鼻息荒く乱闘を始めます。

 ケンカばかりだなぁ、と思っていると、ようやくサッカー部の監督・松木天平が出てきます。

「サッカーには人生のドラマがある! 俺と一緒に青春の赤い血を燃やし、青春の闘魂を傾け、泥沼のなかでボールを蹴りまくる同志はおらんかー!?」
 いきなりの勧誘です。

 玉井は、反発心がむくむく芽生えた模様。目をギラギラさせてボールを蹴り込み、校長室の窓を割ります。
 ガキ大将気質で一人よがりの主人公が、サッカーに取り組むことで仲間の大切さを学ぶ。このようなストーリー展開が予想される第1回目でした。

 かなり面喰らう内容でしたが、エンディングテーマでさらに驚愕することになります。

「たまきしんごは、変なやつ♪
 バカか利口かわからない♪」

 当時としても、規格外の主人公だったようです。

 次回予告では、サッカー部員がパンツ一丁で練習している風景が映し出されていました。

『赤き血のイレブン』、侮れません。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top