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香川真司 11年前

トップ下ルーニーの動きに、香川の目指す先がある

text by 斎藤史隆 photo by Kazuhito Yamada

ゴールだけではないルーニーが果たす大きな役割

 試合後のマンチェスター・ユナイテッドには安堵感が漂った。ファーガソン監督は「フラムは長年、ホームで好成績を残している。貴重な結果になった。選手は気持ちを込めた試合をしてくれた」

 殊勲のルーニーは「ゴールを奪うことができると信じていた。ようやく得点できて、最後はリードを守り切れて良かった」と言うと、スタジアム内が暗闇に包まれた事態についても「とくにかく集中するだけだった」と笑い飛ばすように話した。

 この時点で2位のマンチェスター・シティーとの勝ち点差は10の大台に乗った。優勝のことを語るのは時期尚早としても、ここまで来れば「優勝できなければ大惨事」という状況になってきた。


出場機会のなかった香川【写真:山田一仁】

 さて、ベンチスタートになった香川は結局、出番が訪れずに終わった。サウサンプトン戦で先発していた上、4日後に日本代表での試合が控えていることを考慮すれば仕方がない。

 一方、トップ下でプレーするルーニーは今季の得点数を10に伸ばし、9季連続で二桁ゴールを達成した。アシスト数もリーグ4位タイの7をマーク。ゴールを奪うだけでなく、アシスト役として存分の力を発揮する。正しく香川が目指す役割をしっかりとこなしている。

 10年近くチームの攻撃の核になってきたイングランド代表のエースを凌駕するのは容易なことではない。大切なのは今後も与えられた出場機会で確実に結果を積み重ねていくことであろう。

【了】

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