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長友佑都 11年前

わずか8分間で交代。インテル・長友佑都に何が起こったのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazuhito Yamada

サネッティのアピールにより無念の交代

 試合は、前半互いに無得点ながらもインテルが主導権を握っていた。故障者が相次ぎもはや純粋なFWがロッキしかいないという悲惨な状況だったが、ゲームにはなっていた。前節のアタランタ戦で2ゴールとブレイクしたアルバレスが好調で、キレのあるドリブル突破を軸に次々とチャンスを作りだしていた。中盤で18歳のコバチッチも、相変わらず冷静かつ的確にパスを散らしていた。

 しかしそのバランスは、後半7分のアクシデントを期に急遽壊れる。ガルガーノが筋肉系の故障を訴え交代を申し出たのだ。中盤でのフィルター役とDFラインのカバーを担っていた彼の離脱により、カリアリのカウンターが決まるようになっていく。

わずか8分間で交代。インテル・長友佑都に何が起こったのか?
サネッティ【写真:山田一仁】

 そして17分、途中出場のピニージャが突破からPKを奪取。その判定自体は極めて微妙だったが、とにかくインテルはこれで追う展開に。5分後にベンチに呼ばれ、カンビアッソと交代し送り出された長友も、攻撃的な位置で起用された。この試合、サイドに張っていたグアリンを中央に移し、長友はペレイラの前。サイドハーフとしての投入となった。

 だがすぐさま、アクシデントに見舞われた。ペレイラからパスを引き出すべくペリコのマークを引き剥がそうとすると、彼と接触。その際に左膝を痛め、以降長友の動きはみるみるうちに重くなった。サネッティがベンチに向かって「交代させなきゃダメだ」とアピールし、ストラマッチョーニ監督はサムエルを急いで送り出した。長友の出場は、わずか8分間で終わった。

 これで、コッパ・イタリアの出場は事実上消滅。それどころか、長期離脱さえ懸念されている。インテルは15日、カリアリ戦後に行った長友の検査結果について「左膝外側半月板の断裂」と発表した。長友の状態と今後の展望については、手術実施の有無や回復時期が明らかになった時点で、改めてレポートする事にさせていただきたい。

【了】

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