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【日本戦直前・独占インタビュー】伊代表プランデッリ監督「バロテッリの課題は平常心を保つこと」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

バロテッリがさらにレベルを上げるために必要なこと

――その「強豪ではない」現イタリア代表の要たるのがFWマリオ・バロテッリですが、彼の状態はいかがでしょう? まだまだ未熟かと思いますが、その秘めている能力は紛れもなく本物。一体どのように彼をコントロールしようとされているのでしょうか?

「まずもって、いかなる状況でも彼を特別には扱わない。当たり前だが、どんなに優れた選手でもチームの一員でしかない。何ら特別な対応を我々がとることはない。

 その上で言えるのは、あのバロテッリというFWが紛れもなく桁の違う才能を秘めているからこそ、敵は必ずそれを恐れるということ。恐れるからこそ敵のDFたちは執拗にマリオを挑発してくる。

 ときに言葉で、あるいは通常よりは深いタックルで削ることで彼から平常心を失わせようとする。その罠に陥らないことが肝要だ。これこそが今のマリオにとって最も重要な克服すべき課題と言える。

 そして、そうした敵との“無用な”接触を避けるための技術もまた彼は今よりも高い水準で体得する必要がある。たとえばポストプレーひとつを取ってみても、その“入り方”、すなわち自分の背後に付くDFとの間合いをどう取るか。ここでの“技”をモノにすれば、もうそれだけで今とは格段に違うレベルのFWになる。

 いずれにしても、今日の代表にはブッフォンやピルロといった最高の模範がある。重ねて来たキャリアでも実力でも今のマリオが到底及ばない本物のプロフェッショナルがいるのだから、そうした彼らと過ごすことができる代表での時間は実に有意義なものになるだろう。

 その証拠に、まだまだ十分とは言えないんだが、以前とは比べものにならないほど彼は周りを活かすプレーを上達させている。いわゆる自己犠牲の精神、これを一定のレベルで彼が身につけたとき、果たしてどの域まで辿り着くのか。非常に楽しみな選手だ」

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