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【日本戦直前・独占インタビュー】伊代表プランデッリ監督「バロテッリの課題は平常心を保つこと」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

胸を借りるつもりですべての試合に臨む

「長く過酷なシーズンは来季も同じなのだから、その同じ条件下での実戦となるコンフェデは実に有意義な“ゲネプロ”になる。これもまた何も我々に限ったことではない、どの国の代表にも共通することなのだが、今回のコンフェデで調整を誤ればそれと同じ過ちを来年の本大会を前にして犯してしまうリスクがある。

 その意味で、先のハイチとの一戦はこれ以上ないまでに有益な90分間だったと言えるだろう。意図的にあの強行スケジュール(ブラジル到着の翌日に試合)を組み、あえてあの時間(対メキシコと同時間)で試合を行ったことで、何が必要なのか、その具体的な中身を詳らかにすることができた。もっとも、その具体的な中身をここで披露するわけにはいかないんだが(笑)」

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昨年のユーロでイタリアは準優勝【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

――前回大会はまさかのグループステージ敗退、やる気の見えないアズーリには批判も多くありましたが、つまり今回に限ってはそのような心配はないということですね。

「厳しい批判というものは、その対象が“代表”である以上、あって当たり前。むしろ無ければそれほど寂しいことはない(笑)。とにかく、先ほども述べたように、このブラジルの地で私たちは可能な限り全力を尽くす。

 そして、全力を尽くす限りは当然のことながら手にし得る最高の結果を求めてすべての試合に臨む。何と言ってもこの大会への参加資格を我々は昨年のユーロで2位に入ったからこそ“与えられた”のだからね。その貴重な場をムダにするわけにはいかない。

 その上で大切なことは、現在のイタリア代表が世界的に見て必ずしも強豪の枠には入らないという事実、これを真摯に受け止めることだ。いわゆる“地方クラブ”的なメンタリティとでも言おうか、すべての対戦相手に対して最大限の敬意をもって我々はピッチに立たなければならない。

 かと言って相手を恐れるわけではないのだが、胸を借りるつもりですべての試合に臨まなければならない。あのスペイン戦(ユーロ2012決勝)に0-4の大敗を喫して以降、あの屈辱を忘れることなく、これまでの1年間、私は選手たちにそう言い続けてきた」

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