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日本代表に足りない“勝つサッカー”。チームを変えるカギは“リーダー内田篤人”か?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

内田篤人に期待する理由

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内田篤人のメンタリティに期待【写真:松岡健三郎】

河治 今大会のザックジャパンは「良いサッカーをしたい」と「勝ちたい」がごっちゃになってしまっていましたね。そこを整理して引っ張っていく選手が出てきてほしいですよね。

 個人的には内田篤人がリーダー役になったら面白いんじゃないかと感じました。イタリア戦で日本がリードしたときに、ブラジルの観客が「オーレ、オーレ」って煽ったじゃないですか。日本人とすれば最高の気分ですよ。でも、内田は「すごい怖いと思った」と言っていたんですよ。

河治 なるほど。

 イタリアから点を取って、ブラジルの観客に認めてもらって気持ち良くなっているけど、知らず知らずに前掛かりになってしまってカウンターを受けやすい状態になっていた。あの異常な状況で冷静に判断できるのはすごい。彼のメンタリティーがもっとチーム全体に波及していってほしいなと。

河治 内田は鹿島アントラーズに加入し、いきなり10代で優勝争いをすることになって、小笠原満男とか岩政大樹とか経験豊富な選手とプレーしてきて、勝つための流れをすごくわかっている。試合のことを聞くと90分の流れのことを言いますよね。それは鹿島でやってきたことが生きているんだなと感じますね。

 勝つためにはメンタル的にタフじゃなくちゃいけないですからね。一つひとつのことに一喜一憂していたら持たない。内田の場合は良い意味でマイペースだから、彼が上に立てばチーム全体が息苦しくならないんじゃないかという期待感もある。

河治 確かに、本田圭佑だと引っ張り過ぎるところがあるし、長友佑都も香川真司も常に課題を口にしますからね。個人の成長としては良い反面、チームとしてまとまりにくくなりますよね。

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