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元伊代表監督ドナドーニがザック解任論を一刀両断「今はチームの成長を待つ時。監督交代など論外」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ブラジル、イタリアに連敗して解任論が出るなんて…

――ところが、今回の3連敗を受けて日本では「ザック解任論」が巻き起こっているといいます。(注・伊全国紙ラ・レプブリカは6月25日付け紙面で、『ザックの進退について今後、我々は真剣に議論しなければならない』という釜元邦茂氏の談話を紹介)

「冗談じゃない。まぁ、いずれにせよそれはきっと軽いジョークなんだろう。とはいえ面白くも何ともないんだが…。

 サッカーの試合とは、もちろんそれは他の競技にも共通するはずなんだが、“一つひとつの試合毎に独自のストーリーがある”。先日、私のミラン時代を語ったように(7/2掲載)、絶対に負けないはずの試合を脆くも落とすこともあれば、その逆も然り、絶対に勝てないはずの試合に競る勝つことも、あるいは圧勝することも不可能ではない。

 そうであれば、“たかが”とは言えないにせよ、わずか1試合のみ、あるいは一つの“前哨戦”である大会をもって過去3年にも及ぶ仕事が否定されるべきではない。より客観的に、冷静に、自国の代表の立ち位置を正しく見極めた上で、あくまでも“具体的な”論拠を示しながら批評なり批判なりを行うべきだと私は思う。

 そもそも、ブラジルとイタリアに負けたから解任となるのであれば、それこそ世界中の国の代表が常に監督交代を強いられることになるだろう。対ブラジルと対イタリアに連敗する可能性は、あのスペイン以外の国すべてにとって低くはない確率として想定すべき結果と言えるはずだからだ。そしてまたあのスペインでさえも先日の決勝でブラジルに敗れている」

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