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Jリーグ 11年前

緊張感足りぬFC東京。万年中位も必然か?

text by 後藤勝 photo by Asuka Kudo / Football Channel

危機感、緊張感は足りているか?

 居心地のよさは取材をする身としても感じている。おそらく、Jクラブの中でも、そうとう取材しやすい部類に入るはずだ。

 もしかしたら変身する可能性があるのかもしれないと思うのは、今季、そこにもメスが入り始めていることによる。非公開練習が実施されたり、取材中にあるちょっとした配慮が必要になったり。クラブとして自覚を強めている様子がうかがえるからだ。

 成績が悪ければ危機感が高まり、ある程度ピリっとするのは当たり前。しかしそれだけでは「喉元過ぎればなんとやら」で、ちょっと成績がよくなると危機感が薄れてしまう。

 結局、アラートに頼るのではなく、常日頃から各自が厳格な己を持つよう努めないといけないのではないか。

 いつも東京の目標に挙げられる鹿島アントラーズ。その鹿島のクラブハウスに行ったことがある方ならわかると思うが、あそこには独特の緊張感が漂っている。毎日歯磨きをするように積み重ねてきた結果の気風なのだろう。

 かつて第一期大熊監督時代、鹿島同様、目標に掲げられていたジュビロ磐田にしても、優勝し始めたときからN-BOX期に到る黄金時代には、ドゥンガ以降の独特の気風が選手間にあった。

 いま三田啓貴が注目されているが、彼にしても、新人の立場からポジションを掴むためには一プレー単位で気が抜けないという緊張感が成長の原動力になっている。レギュラーポジションを掴んだあとでも緊張感を保つには、別のモチベーションが必要になるだろう。

 それがなんなのか。選手もスタッフも、必死に探してほしいと思う。

【了】

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