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日本代表 11年前

西野朗の豪州戦分析「齋藤学の個人技はザックジャパンにとって新たな発見」

東アジア杯の第2戦となったオーストラリア戦。エキスパートはどう見たのか? J1での監督経験豊富な西野朗氏が分析する。

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

評価できる大迫と豊田の距離感

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西野朗氏【写真:松岡健三郎】

――オーストラリア戦、初戦からザッケローニ監督はメンバーを全員入れ替えました。

「率直に言って驚いたね。練習を見ていても、そんな雰囲気は感じられなかったし、勝負にこだわって、ある程度軸となる選手は残すと思っていた。チーム全体の把握、選手全員のチェックをしたかったんだと思う。これは今までにない傾向だけど、僕はいい印象を持っている」

――そういった中で勝利を収めました。

「それは評価すべきだけど、コンビネーションの面を見ても高いパフォーマンスとは言えなかった。モチベーションは高かったと思うし、個人での収穫はあった。ザッケローニ監督の収穫もそこに絞られると思う」

――攻撃陣は2試合連続で3得点。結果は出しています。

「そうだね。システムを変えずに大迫(勇也)をシャドーのような形でスタートさせた。豊田(陽平)のフィジカルを活かして、2列目を上手く使えていた。ただ、大迫はシャドー的な動きだけでなく、前に前に行く姿勢があって、それが良かった。豊田といい距離感があったし、それが得点につながったよね。

 やはり豊田と大迫の関係性はいいと感じた。二人ともフィニッシャーとしての能力は非常にいいものを持っている。大迫は実際に2点をとっているし、決定力がある。ターゲットに積極的に絡んでいく姿勢がいい。

 山田(大樹)を含めて攻撃陣は特徴を上手く出せた試合だったね」

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