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“香川を超える逸材”と韓国メディアが絶賛するソン・フンミン。新天地でさらに飛躍することが出来るか?

text by 呉承鎬 photo by Ryota Harada

エリートプログラムの一員としてドイツへ

 そもそもソン・フンミンとは、どんな選手なのだろうか。彼のサッカー人生を振り返る上で見逃せないのは、父親の存在だ。父ソン・ウンジョン氏は、元韓国代表のサッカー選手で、現在はアジアサッカーアカデミー(AFA)青少年財団の総監督を務める人物。

 早くから成功するスポーツ選手は、幼い頃から具体的な目標を掲げていることが多いが、ソン・フンミンもサッカー選手だった父の背中に、自分の将来を重ねていたと考えられる。彼は小学生の頃から父の厳格な指導下で、徹底的な基礎練習と個人練習を繰り返したという。

 ソン・フンミンはその後、KFAによる“優秀選手海外留学プログラム”の6期生として、高校1年生で韓国を出国し、ハンブルガーSVのユースチームでプレー。幼い頃は父に、高校からはドイツにサッカーを学ぶという、韓国人選手の中でも異例の経歴を持つ選手と言えるだろう。

 そして、2011-2012シーズンにブンデスリーガデビューを飾ったソン・フンミンは、初出場の試合でいきなり初ゴールを決めた。183cmの長身、アジア人離れしたスピード、優れたゴール感覚を見せ、ブンデスリーガ公式サイトにて“前半戦でもっとも良いデビューを果たした選手”に選ばれている。

 また、2011年のリーガトータルカップ準決勝では、強豪バイエルン・ミュンヘンを相手に2ゴールを記録し、チームを勝利へと導いた。昨シーズンの活躍ぶりは、上述の通りだ。

 ちなみに、韓国人選手としてブンデスリーガで二桁得点を記録した選手は、1985-1986シーズンに17ゴールを上げたチャ・ボムグンまで遡る。

 実に27年ぶりとなる快挙に、韓国のサッカーファンたちは、「ソン・フンミンは韓国サッカーの未来」、「韓国史上、最高のゴールゲッター」、「第2のパク・チソン」、「香川真司を超えるプレイヤー」と、惜しみない称賛を送った。

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