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Jリーグ 11年前

Jリーグ勢唯一の生き残り。柏レイソルはACLベスト8をどう戦うべきか?

text by 鈴木潤 photo by Kenzaburo Matsuoka

勝機をどこに見出すべきか?

ネルシーニョ監督
ネルシーニョ監督は2つのポイントを挙げる【写真:松岡健三郎】

 2011年のFIFAクラブワールドカップ3位決定戦で、柏は同年のACL王者アルサッドと対戦した経験がある。

 カタールのアルサッドとサウジアラビアのアルシャバブ。細かい部分まで言及すればスタイルに違いはあるだろうが、両者には中東系のチームという点のみならず、前線に強烈なタレントを置いたカウンター型のチームという共通点があり、そういう意味でもアルサッドとの対戦経験を今回のアルシャバブ戦で生かしたいところであろう。

 そのFIFAクラブワールドカップでは、“堅守”が武器のアルサッドに対し、柏はかなりの頻度でボールを保持し、相手を押し込み、決定機を作った。しかし最後の精度を欠き、0-0からPK戦の末、柏は敗れた。上記した懸念通りの展開にハマってしまったのだ。

 特に柏は、直近のリーグ戦では2試合連続スコアレスドローに終わり、決定力という部分では若干迫力を欠く。そのいずれの試合も、決定機を作りながらその好機をモノにできていないというのが現状だ。

 幸い、先月に怪我から復帰したレアンドロ・ドミンゲスが、徐々に調子を上げてきた。彼は昨季から通じACL12試合8ゴールとJリーグで受ける相手からの徹底マークのないアジアの舞台では、その能力をいかんなく発揮している。

 また、Jリーグで12ゴールをマークしている工藤壮人は目下ACL3試合連続ゴール中、トータルで今季5ゴールとアジアでもゴールを量産中だ。柏としては高い決定力を有する2人を中心に、アルシャバブのわずかな綻びを確実に突いていきたいだろう。

 ここまでのアジアでの好調を問うと、ネルシーニョ監督は2つのポイントを挙げる。「クラブとして、昨年の経験を生かしている」、「決めるべき時にゴールが生まれている」、この2点だ。

 2年前にアルサッドと対戦した経験を生かし、応用しながら未知の相手アルシャバブとどう対峙するか。そしてリーグ戦2試合連続スコアレスの攻撃陣が決定力を取り戻せるどうか。ACL準々決勝第1戦は、日立柏サッカー場で19時キックオフだ。

【了】

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