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Jリーグ 11年前

攻め切れずに引き分けたACLベスト8。逆転勝利へ向け柏が修正すべきこととは?

text by 鈴木潤 photo by Kenzaburo Matsuoka

レアンドロの不調が招いた悪循環

 柏は直近のJリーグ7試合では無敗が続いている。だが、そのうち4試合は引き分け。柏が勝ち切れない時というのは、攻撃陣が揃って足元で受けたがり、そのため動きの量も少なく、前線の数選手がほぼ止まった状態で前に張り付いた状態となる。

 右サイドで起点を作れる工藤も基本はストライカーだ。ゴール前へ入っていくケースは多く、その結果バイタルエリアは敵と味方との密集地帯となってしまう。

 そうなると後方でパスを回す最終ラインやボランチからすれば出しどころがなく、後方で回すうちに相手から寄せられ、最終的にはアバウトなボールを前線に蹴り込み、マイボールを簡単に相手に失う悪循環が発生する。

 アルシャバブ戦でもCBの近藤直也が縦パスを入れられず、前線に「動いてくれ」と大きなアクションで要求するシーンは何度か見受けられた。効果的な攻撃を仕掛けられず簡単にボールを失えば、それに比例して相手の攻撃頻度は増すだけに、柏は攻撃の仕方を改善し、相手の攻撃頻度を減らすことが大きな問題として挙げられる。

 攻撃が停滞する原因のひとつには、レアンドロのコンディションの問題がある。本来、対戦相手から「嫌なポジションを取る」と言われるレアンドロ。

 のらりくらりとゾーンの間に顔を出し、前を向いて一気に仕掛ける彼の切れ味も、2カ月半戦列を離れた怪我からの復帰以降は思いのほか調子が上がらず、本来のパフォーマンスと比べればクオリティーは程遠い。そもそもパスを受ける時に足が止まっていること自体が、レアンドロ本来のリズムではない。

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