フットボールチャンネル

ボランチの戦力としてだけでなく――。ニュルンベルクが長谷部誠に期待していること

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

ボランチでの出場の可能性は?

 失点のシーンを振り返ると、ディフェンスラインの前で相手にプレッシャーが上手くかかっていない印象がある。例えば第4節FCアウクスブルク戦の失点シーンを振り返ってみても、相手の左サイドからのシュートが右ポストに当たって跳ね返ったところを、ディフェンスラインの前でフリーでシュートを打たれ、失点を喫してしまっている。

 ニュルンベルクとすれば、まずディフェンスを安定させ、チームを浮上させる契機としたい、といったところだろう。そこでヴォルフスブルクで本職のボランチとして、出場機会に恵まれていない長谷部に白羽の矢が立てられていたことは、想像に難くない。

 アウクスブルク戦でダブルボランチとして先発出場したのは、ニクラス・シュタークとハノ・バリッチだ。バリッチはレバークーゼンでのプレー経験もある32歳だが、シュタークは1995年4月生まれの18歳で、ブンデスリーガ通算出場試合数も7と経験不足は否めない。開幕節から第4節までこの2人が揃って先発出場している。

 こうした現在のチーム状況を考えれば、次節のブラウンシュバイク戦で、長谷部のボランチのポジションでの即先発出場も十分ありえるのではないか。戦力としてはもちろんのこと、ブンデスリーガで5年半に渡って戦って来た経験があり、さらには08-09シーズンに優勝経験もある長谷部の存在はチームを鼓舞するはずだ。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top