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ボランチの戦力としてだけでなく――。ニュルンベルクが長谷部誠に期待していること

ヴォルフスブルクからニュルンベルクへの移籍を果たした長谷部誠。ボランチでの出場機会を増やすことが出来れば、日本代表への良い影響があるのは間違いない。ただ、ニュルンベルクが長谷部に期待していることはそれだけではない。彼の持つ人格、そして経験はまだ勝利のないチームを救うことが出来るのか?

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

まだ勝利のないニュルンベルク

 長谷部誠は、1.FCニュルンベルクを窮地から救えるだろうか。

長谷部誠
ヴォルフスブルクにて、ボランチでの出場機会に恵まれなかった長谷部誠【写真:原田亮太】

 長谷部のニュルンベルクへの移籍が決定する数日前、8月29日にVfLヴォルフスブルクの練習場を訪れた。練習場には、日に焼けて精悍な顔立ちをした長谷部がいた。暑さの残る15時30分にスタートした練習で長谷部は、目の前のメニューに対し決して手を抜くことなく一つひとつ真摯に取り組んでいった。

 控え組に入ってトレーニングを続けていたが、軽快な動きで、コンディションは万全のようだった。前線へのロングフィードのトレーニングでは、長谷部の蹴るボールは美しい弧を描いていた。

 ブンデスリーガ13-14シーズンの開幕後もヴォルフスブルクにて、ボランチのポジションでの出場機会に恵まれず、自身の移籍の可能性についてメディアで取沙汰される難しい状況にありながら、練習が終わると、ドイツ人と日本人のファンに丁寧に応対していた。

 今更触れることではないかもしれないが、その人格については、ドイツ人であれ何人であれ感嘆せざるを得ないだろう。

 ニュルンベルクは第4節を終えた時点で2分2敗と、未だ勝ち星に恵まれていない。順位も18チーム中、17位と文字通り低迷している。4試合で4得点7失点と、ゴールこそ奪えてはいるものの、失点が多過ぎる。

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