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関連書籍 11年前

夢想するサッカー狂の書斎

ぼくの採点表から
編著 佐山一郎

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 スポーツ本新刊評の第一人者があやなす、史上初の“サッカー本”書評集!

「本がつまらないのは、全面的に著者のせいなのか? 評価を避けて、毒にも薬にもならない“書評という名の紹介文”を繰り返している案内人にも悪循環の一因があるのではないか――」

「スポーツ本批評の第一人者」である佐山一郎が、11年にわたって朝日新聞、フットボールサミットなどで連載した全153冊のサッカー本読書遍歴=書評を大幅に加筆して網羅。

 書評欄の失墜が叫ばれ、サッカー本が濫造される時代に贈るハードで優しい読書案内です。

 スポーツ本批評の名手は、書斎で何を夢想したのか?

 一も二もなく、それは成熟したサッカー文化。

 荒行のような書評を通して、良書とは何か? 書評の神髄とは何か? を訴えかける、【OA(オーバーエイジ)枠】の評者ならではのコクの世界が凝縮された書痴(ビブリオ・マニア)的饗宴をとくとご堪能あれ!

【目次】
第I部 球を捨てよ、本屋さんへ行こう
◇トーキング・ブックス1
サッカーがまだ一望の荒野だった頃
◇トーキング・ブックス2
ものがたる身体v.s.追いかける言葉
◇トーキング・ブックス3
夢想するサッカー狂の書斎
◇トーキング・ブックス4
蔵書を語れば

第II部’02年から’06年まで
◇国立競技場が「聖地」ではない国
◇古参評論家による格好の案内書
◇旧・共産圏強豪クラブ名の謎解き
◇出色のコラム風サッカー掌編
◇英サッカーの魅力ふんだんに
◇名将が韓国で愛される理由
◇奇矯な上司とのワールドカップ奮戦記
◇特権的名士の魅力を考える
◇旧弊との苦闘 リアルな対話
◇スター審判が語るサッカー
◇レアル移籍へと至る監督との確執を検証
◇「後進国」克服論では未来を切り開けない…など

第III部 オシムの時代から’10年まで
◇サッカー本の苦楽「代表23冊枠」を選考せよ!
◇苦難の歴史を浮き彫りに
◇ジェフ時代からの徹底分析
◇慧眼の士の言説の背に仄めく希望の哲学
◇慎み深く、故郷を愛する人
◇サッカー界の痛快、波瀾万丈の自伝的リーダー論
◇難病と戦い、「弱者の心」に気づく
◇「キング」の呼称から浮気告白まで
◇「日本サッカーの父」が教えたもの
◇実感的統計スポーツ論の先にあるもの
◇名監督が語る実践的哲学
◇金井文学とスポーツの相互浸透が心地よい

第IV部 サッカー版「ぼくの採点表」全88冊2012~2013

【著者】
佐山一郎(さやま・いちろう)
作家。一九五三年、東京・自由ヶ丘生まれ。同年代に、ジーコ、ザッケロー二、アスカルゴルタ、永井良和。成蹊大学文学部文化学科を卒業後、『スタジオ・ボイス』編集長などを経て八四年よりフリー。主著に『東京ファッション・ビート』(新潮文庫)、『「私立」の仕事』(筑摩書房)、『闘技場の人』(河出書房新社)、『こんなサッカーのコラムばかり雑誌に書いていた。』(双葉社)、『作家の仕事場~25人のデザイン・ジャイアント~』(インフォバーン)、『雑誌的人間』(リトル・モア)、『作家の仕事場』の新装版『デザインと人』(マーブルトロン)、『VANから遠く離れて 評伝石津謙介』(岩波書店)。電書に『ブレない「私」のつくり方しのぎの時代のサバイバル読書術-』(カフェシェヌー叢書1/山城パブリッシング)。

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