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代表 11年前

独裁者の珍法律で試合中の拍手も違法!? 対戦前に知っておきたいベラルーシ代表とお国事情

拍手も禁止した独裁大統領

 ベラルーシと言って浮かんでくるのは、隣国ウクライナのチェルノブイリ原発事故で最も被害を受けた地域であったり、独裁国家であったりと、あまり明るい印象がない。

 特に、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の強権長期支配は、「欧州最後の独裁者」として、国内外から強く批判を受けている。

 反政府運動も活発で、デモや物騒な事件も起きている。今回試合が行われるトルペド・ジョジノスタジアムだが、持ち込み禁止の中に「アラーム式置き時計」というのがある。良からぬモノと〝紛らわしい″からだ。

 独裁政権が続くと、自らに有利なように法律がどんどん改正されてしまう。長期政権を可能にしているのは、そんなところに理由がある。

 また、「美人大国」として名を馳せるベラルーシだが、「美人の出国禁止」などという、嘘だか冗談だかわからないような法案が決まりかけたこともある。 

 スーパーモデルを多く生む国としては、国内に税金が落ちなければ面白くない。ましてや、よその国に帰化などされたら、それこそ死活問題…とまで考えたかどうかは知らないが、ちょっと変わった国であることは、頭に置いておくといいかもしれない。

 ちなみに、美貌のテニス選手シャラポワの両親はベラルーシ人だ。

 ルカシェンコ大統領だが、ノーベル賞のパロディー版である「イグ・ノーベル賞」の本年度の平和賞を受賞している。受賞対象になったのは、『公共の場で拍手をすることを違法とした』ということだった。

 反政府デモの取り締まりに抵抗する形で、ベラルーシ国内の街頭では人々による「無言の拍手」という抗議行動が流行ったのだ。それに対する法律だったらしい。

 同平和賞には、ベラルーシ警察がルカシェンコ大統領と共に共同受賞した。腕が1本しかない男性を「拍手をした罪」で逮捕したことが受賞理由になっている。

 なお、米ハーバード大学で本物のノーベル賞受賞者たちによって行われる授賞式には、当たり前だが大統領は出席しなかった。

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