2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第1回 渋谷亮(中央大3年)

2013年11月22日(Fri)12時55分配信

シリーズ:2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って
text by 海江田哲朗 photo Tetsuro Kaieda , Yoshinori Shibuya
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「ヴェルディは、僕たちの未来です」

 4月17日、JR東日本カップ2013 第87回関東大学サッカーリーグ戦(前期)の開幕カードは、中央大学 vs 慶応大学だった。中大には東京Vユース出身の渋谷亮(3年)がいる。慶大には同期の山浦新(3年)が、そして後輩の宮地元貴(1年)もスタメンに名を連ねていた。

2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第1回 渋谷亮(中央大3年)
生後2ヵ月の渋谷亮。生まれながらのヴェルディっこである。【写真提供:渋谷義則】

 ゲームは1-0で中大の勝利。渋谷と山浦は大学生となってから初めての対戦だった。1年時から試合に出ていた山浦に対し、渋谷は出遅れた。もともと渋谷は遅咲き、晩熟の傾向がある。東京Vのジュニア、ジュニアユース、ユース、いつも下から這い上がってきた。

 試合後、リーグ戦初出場を果たし、ようやくスタートラインに立てた渋谷は安堵の表情だった。僕も一安心である。ここからバリバリ活躍すれば、どうにかプロに間に合うかもしれないと考えた。

 その年代の東京都の才能が結集したといわれる、東京ヴェルディユース、花の92年組(92年生まれと93年早生まれ)。小林祐希(ジュビロ磐田)、高木善朗(FCユトレヒト)、高野光司(FC町田ゼルビア)、双子のキローラン菜入・木鈴(ともに東京V)がプロとなり、渋谷、山浦らそのほかのメンバーは大学に進んだ。

 東京Vのファンにとって、92年組は格別の記憶を刻む世代である。2009年から2010年にかけ、東京Vは経営危機に揺れた。存続が危ぶまれるなか、東京Vユースは逆境を跳ね返す輝きを放つ。

 夏のクラブユースサッカー選手権で優勝し、さらに東京都サッカートーナメントを制覇。天皇杯の東京都代表の座まで手中にした。大学、社会人ともに強豪がひしめく東京都において、高校生年代のチームが天皇杯に出場するのは史上初の快挙だった。結果、日本屈指の育成部門を持つ東京Vの存在価値を広くアピールした。

 クラブユース選手権の優勝報告をサポーターに行う際、チームを代表してマイクの前に立った渋谷は鮮烈な言葉を残している。

「ヴェルディは、僕たちの未来です」

 その力強いスピーチは、いまもファンの間で語り草だ。いい年をした大人たちが一発で心を掴まれてしまった。

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