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プレミアリーグの2014年夏の移籍市場総括。ベスト補強、ワースト補強は?

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Getty Images

注目の補強選手は?

<リーグ史上支出最高額>

 今夏の市場で最も焦りと浪費が目立ったのが昨季から不振に喘いでいるマンチェスター・ユナイテッドだ。今夏も終盤に駆け込みで英移籍金史上最高額の5970万ポンドでレアルマドリーからアルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリアを補強するなどし、使用した合計額は1億5300万ポンド(約264億7000万円)に上った。

 ちなみに2位はリヴァプールの1億1600万ポンド(約200億7000万円)で、チェルシーとアーセナルがそれぞれ8770万ポンド(約151億7000万円)と7820万ポンド(約135億3000万円)で続いた。一方、最も支出額が少なかったのはストークの340万ポンド(5億9000万円)だった。

<ベスト補強>

 移籍市場が閉まるまでにプレミアリーグは3節を消化したが、開幕3連勝で首位を快走しているチェルシーは最も理想的な補強を進めたと言える。特に昨季ラリーガ覇者のアトレティコ・マドリーから移籍金3200万ポンド(約55億4000万円)で補強したスペイン代表FWディエゴ・コスタと、バルセロナから2700万ポンド(約46億7000万円)で獲得した同国代表MFセスク・ファブレガスらはプレシーズンから万全な状態に調子を整えており、チームの大きな原動力となっている。

<ワースト補強>

 日本代表DF吉田麻也の所属するサウサンプトンがハルから1200万ポンド(20億8000万円)で獲得したアイルランド代表FWシェーン・ロングは、昨季15試合で4ゴールと低調な記録に終わっていたため、最も割に合わない粗末な補強として挙げられている。一方、リヴァプールがACミランからイタリア代表FWマリオ・バロテッリをお買い得な1600万ポンド(約27億7000万円)で補強している事からも、その質の低さがうかがえる。

<目玉補強選手>

 ウェスト・ハムがバルセロナから1年の期限付きで獲得したカメルーン代表MFアレックス・ソングは中堅クラブが一流選手を補強したという観点で、目玉補強となった。

 もう一つの目玉補強は開幕3試合で2ゴールを記録しているトッテナムのU-21イングランド代表DFエリック・ダイアーだ。彼はイングランド人としては珍しく、日本代表FW田中順也が所属するスポルティング(ポルトガル)の下部組織で育っており、移籍金も400万ポンド(約6億9000万円)と比較的安価だった。

【了】

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