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皇后杯制覇に大きく貢献。進化を続けるアタッカー・籾木結花

text by 青木務 photo by Getty Images

リーグ戦では宣言どおりの二桁得点

 トップ下でプレーするようになると、その能力を遺憾なく発揮。相手ボランチとディフェンスラインの間でボールを受けたら迷わず前を向き、果敢な仕掛けからゴールを狙った。

 小柄な背番号11はチームになくてはならない存在になり、相手の脅威となった。開幕戦で2得点を決めると、試合後には「今年は二桁を取りたい」と宣言。そして、その通りに10ゴールを記録した。

 8得点を稼いだレギュラーシリーズに比べ、エキサイティングシリーズは2得点と数字が伸びなかったが、10試合で35本のシュート数はリーグ1位だ。

 決定機を逸したという見方もできるが、それだけゴールを狙える場面に顔を出していたとも、チームが籾木に点を取らせようとしていたとも言える。

 周囲からの信頼を感じる場面があった。

 エキサイティングシリーズ第5節のジェフユナイテッド千葉レディース戦、49分にベレーザがPKを獲得した。この時、阪口は『モミ』と声をかけて籾木にキッカーを任せた。彼女にとって忘れられないワンシーンだ。

 リーグでは宣言通りの二桁得点にホッとした様子だったが、満足はしていない。今回の皇后杯で決めたゴールは3回戦での1得点のみ。

「やっぱり自分でゴールを決めることができていないので、課題はそこかなと。準決勝のベガルタ(仙台レディース)戦だったり、今回もそうですけど、自分に来るシュートシーンというのは少なくないので、そこでもっと決め切れるような選手になっていきたい」

 味方のゴールには絡んでおり、貢献度は高い。攻撃の中心であることは間違いないが、自らの得点でチームを勝たせたいと強く思っている。

 ベレーザの練習に付いて行けず、なでしこリーグのレベルに四苦八苦していたのも過去のこと。今はもう自分の技術やアイディアを存分に発揮できるのでは? と聞くと、考えながら「まあ…それなりに(笑)」とはにかんだ。

 控えめな言葉とは裏腹に、ピッチの上では誰よりも存在感を放つ。2015年も引き続き注目したい選手だ。

【了】

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