フットボールチャンネル

11人対9人でも崩壊しなかった熱戦。バルサが見せた爆発力とアトレティコのクオリティ

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

互いに長所を発揮。リーガのレベルの高さを示す一戦

 10人でも同点、さらに逆転も可能という雰囲気が高まっていたアトレティコだが、そんな中でCBのディエゴ・ゴディンが2枚目の警告によって退場処分に。9人で戦うことを余儀なくされてしまった。

 2人もの違いが生まれればアトレティコが劣勢となるのは当然といえる。65分以降のアクションエリアを見ると、アトレティコは自陣に57%までとどまっていた。逆にバルサは敵陣でのプレーが70.64%と上昇。シュート数で4本:1本、チャンスメイク数でも3回:1回と優勢に試合を進めた。

 それでも、この11人対9人という試合は崩壊しなかった。その要因には、アトレティコの選手たちのあきらめない精神があった。点差は1点。2人少ないとはいえ、ここまでの流れを見れば決して勝ち点を得ることは不可能ではない。そういった気持ちが見えていた。

 試合は結局、2-1でバルセロナの勝利。この天王山はホームの王者が制した。バルセロナは試合中の修正力の高さ、そしてここぞという時の爆発力を見せつけた。

 一方でアトレティコは、敗れはしたものの自らの武器でバルサの武器を抑え込み、人数が減ろうとも大きくクオリティが落ちないチームの完成度や戦術レベルの高さ、そして試合をあきらめない選手のメンタリティの強さを発揮した。

 この首位決戦は、リーガエスパニョーラというリーグのレベルの高さを改めて感じられる一戦となった。

【了】

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top