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豪州に移籍した楠神順平。現地メディアからの絶賛。“第二の小野伸二”になれる可能性

text by 舩木渉 photo by Getty Images

日に日に高まる周囲の信頼。ニコルスとの固い絆

ミッチ・ニコルス
かつてセレッソ大阪でプレーしたミッチ・ニコルス【写真:Getty Images】

 シドニーFC戦では「もっともっと自分にボールを出して欲しかった」と語っていた楠神だが、アデレード戦では周りの選手も信頼して新加入の日本人アタッカーにボールを預けていた。前節のプレーは少なからず影響しているはずだ。この試合で地元テレビ局のカメラは何度も楠神をアップにして映した。注目度も確実に上がっている。

 他の新外国人選手たちが順応に苦しむ中、楠神とニコルスの関係はWSWにとって一筋の光明となっている。Jリーグ時代から共にプレーしていただけあり、2人による1タッチないし2タッチのコンビネーションは攻撃のアクセントとなり、幾度となくチャンスの起点となっていた。

 楠神自身も「僕はミッチをすごく信頼しているし、ミッチも僕を信頼してくれている」と両者の間に固い絆が結ばれていることに手応えを感じている。

 ニコルスも呼応するように「順平のことはセレッソ大阪の頃から知っているし、いいやつだ。今日(シドニーFC戦)はいくらかミスもあったけど、彼が優れた選手であることに変わりはない。ゴールを決められるだろうし、チームを変える力があると思う」と、オーストラリアの地で再会した相棒への信頼を語った。

 アデレード戦のヒーローは途中出場で2得点を挙げたサンタラブに違いないが、昨季のチーム内得点王も現状はあくまでスーパーサブの域を出ない。おそらく今季のチームは楠神とニコルスを中心に組み立てるのがベストだろう。

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