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異国の地で戦うフェアー・モービー。チームに欠かせない存在に。ベトナムで開かれる日本人選手への門戸

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami,Getty Images

レギュラーの座を掴んだフェアー・モービー

 HAGLは今季のVリーグ開幕から第4節を終えた時点で、14チーム中14位の最下位に沈んでいたが、旧正月明けの2月12日にホームで行われた第5節のXSKTカントー(13位)戦で3-0と大勝して今季初白星を飾った。

 セットプレー以外の流れの中で得点を奪ったのはこの試合が初めてで、エースのグエン・コン・フオンが復活の狼煙となる2ゴールを挙げたことも大きかったが、なにより課題だった守備面を無失点で終えることができたことはHAGLにとって収穫だった。

 フェアー・モービーは、センターバックとして開幕5試合フル出場。既にレギュラーの座を確固たるものにしている。守備だけでなく、果敢にオーバーラップして攻撃に参加するなど、攻守にわたりチームへの貢献度は高い。フェアー・モービーは、ベトナムでのプレーについて、「マッチアップする相手は、ザ・センターフォワードというタイプのでっかい外国人ばかりですが、そういう選手と対戦できるのは、すごく楽しいです。」と語った。

 経験の浅い若手主体のチームの目標は今シーズンも1部残留だが、今年は東南アジア版オリンピックのSEA Gamesがマレーシア・クアラルンプールで開催されるため、U-23ベトナム代表候補が多いHAGLは、多くのメンバーがシーズン中にチームを離れることになる。

 大会中は、国内リーグが中断するとはいえ、主力がごそっと抜けてチーム練習ができなくなることや疲労の蓄積を考えると、今年も厳しいシーズンになりそうだ。そんな中、2人の“サムライフットボーラー”が助っ人として、どこまでチームを支えることができるか。これからも注目して見ていきたい。

(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

【了】

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