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堅守・アトレティコが崩壊。レアルが示した“若き”力、明暗を分けたポイントはどこに?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

若い選手が実力を証明

レアル・マドリー
ヴィニシウス・ジュニオール(左)とセルヒオ・レギロン(右)【写真:Getty Images】

 もう一つ触れておきたいのはマドリーの新たな主力となる2人の若手、ヴィニシウス・ジュニオールとセルヒオ・レギロンの奮闘ぶりだ。彼らのプレーは、大きく評価するべきものであった。

 およそ4500万ユーロ(約58億円)という巨額の移籍金でマドリーに加わったV・ジュニオールは、まだ18歳ながら堂々たるプレーでチームの崩しの核となっていた。積極的にドリブルを仕掛ける姿勢は常に相手の脅威となっており、この日もマドリーのチャンスの多くはこの男の突破から生まれたものだった。

 背番号28はアトレティコ戦でチーム最多となるドリブル成功数2回を記録しており、データサイト『Who Scored』では7.0のレーティングが与えられるなど高評価を得ていた。今後もマドリーにおいては重要な存在となるはずだ。

 マドリーの左サイドバックは長年マルセロが担ってきたが、ここにきて期待の新星が現れた。セルヒオ・レギロンその人だ。

 レギロンは攻守においてバランスを取ることができ、豊富なスタミナを生かしながら90分間サイドを上下動できる選手だ。激しく粘りのある守備はアトレティコにとっては厄介なものとなっており、ボールを奪ってからのビルドアップも的確で、攻守のスイッチを入れることができる。マドリーの3点目はレギロンがカリム・ベンゼマに縦パスを入れたところから始まっているなど、冷静なプレーも目立った。

 レギロンはタックル成功数で全体2番目となる3回を記録。また、インターセプトの数はチーム内で最も多い2回を記録するなど、守備での貢献度はかなり高かった。

 V・ジュニオールとレギロンはサンティアゴ・ソラーリ監督が率いていたBチームでプレーしていた選手であり、彼らの間には深い信頼関係が成り立っている。新生マドリーにおいて両者とも重要な存在になることは間違いなく、今後のさらなる成長は今から期待できる。

 若い選手が力を示したマドリー。ここから本格的に新たな時代が幕を開けるかもしれない。

(文:小澤祐作)

【了】

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