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リバプールに欠点あり? クリスタルパレス戦で露わになった弱さ、ラストピースとなるのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

今冬の補強は必須



 問題はサイドではなくセンターFWだ。FWが柔軟にポジションを変え、試合の組み立てにも関与することはリバプールの戦術上必須。中盤で数的優位を作り、サイドから多彩な攻撃を繰り出せる。この試合で先発したジョタの実力が無いという話ではなく、戦術的に中央からの攻撃に怖さが全くない。

 この試合でも、前線で体を張ったポストプレーやCB間のギャップを突いた裏への抜け出しがほとんどない。最善戦での駆け引きが少ないため相手CBに負担を駆けることもできず、単純な裏への抜け出しや競り合いはフィジカルで抑えられていた。

 データサイト『WhoScored.com』によると、リバプールは25本のシュートを放っているが、そのうち枠内を捉えたのは10本。シュート本数は多いが、ほとんどが苦し紛れのミドルシュートだった。

 「これ以上加えるのは意味がない」とシーズン開幕前に語ったユルゲンクロップ監督が今夏獲得したのは、CBのコナテのみ。現状の戦力に満足しているようだが、クリスタルパレス戦を見る限る、今冬の補強は必須。タイトルを狙うのであれば、新エースとなるFWの獲得が必要だろう。

 この試合から改善し、新たな戦術を見出すのか。それとも新たなストライカーを獲得するのか。今後のリバプールの変化が楽しみだ。

(文:阿部勝教)

【了】

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