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冨安健洋復帰でアーセナルは何が変わった? 勝利を手放したウェストハムのミスとは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

冨安がチームにもたらしたものとは…

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【写真:Getty Images】



 4月23日に行われたプレミアリーグ第34節、マンU戦で約3ヵ月ぶりの復帰を果たした冨安健洋は、この試合が復帰後初のスタメン出場となった。

 4-2-3-1の右サイドバックに入った冨安は、対峙したサイード・ベンラーマを完封。地上戦と空中戦の両方で強さをみせていた。タックル数はチーム最多の3回でデュエル勝率は100%。21分の1対1の場面では、縦に仕掛けてきたベンラーマとボールの間に上手く体を入れてゴールキックにするなど、守備に安定感をもたらしていた。

 攻撃面では、積極的にポジションを上げてサカをサポート。ビルドアップ時にはボランチと並び、ゲームの組み立てにも関与していた。

 冨安の離脱中に代役を務めていたセドリック・ソアレスは、積極果敢にオーバーラップしてクロスを上げるなど、攻撃にアクセントを付けていた。冨安は同選手に比べて攻撃面では少し劣るが、圧倒的な対人の強さと正確なパス、さらに戦術理解度の高さで、アーセナルの守備とビルドアップ時に安定感をもたらしていた。

 プレーに違和感はなく、完調したかに思えたが、77分に途中交代。左足を引きずる仕草をみせると自身でボールを外に出し、ピッチに座る場面があった。

 試合後、ミケル・アルテタ監督は冨安の状況について「冨安は長期離脱していたため、続けることが出来なかったというだけだ。うまくいけば大丈夫だ」と話している。

 プレミアリーグも残り4節。5月16日には、現在5位のトッテナムとのダービーマッチが控えている。 CL出場権の命運を分けるこの一戦を前に、冨安が再び離脱となればアーセナルはかなり厳しい状況に陥る。日本代表DFは再び離脱することなく、アーセナルをCL出場に導くことが出来るだろうか。

(文:阿部勝教)

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