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アーセナルを評価するのは“まだ”早い。脆さが出てくる危険性とは? 開幕5連勝でも見せていた隙【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

2戦連続で試合終盤に勝ち越し


 1点リードのアーセナルは64分にベン・ホワイトとの交代で富安建洋を投入した。この交代には連続稼働が続くホワイトの休養と開幕から先発起用がない冨安のコンディション調整、そして守備固めの意図があったと考えられる。

 実際に冨安は2度フィリペ・コウチーニョのドリブルを止めるなど持ち前の対人戦で強さを発揮し、積極果敢なオーバーラップから攻撃をサポートするなど、今季ベストのパフォーマンスを披露。試合後にミケル・アルテタ監督も「今日のパフォーマンスはとても良かった」と語るなど、指揮官の期待に応えている。

 一方で攻撃陣は追加点を奪うことができず、逆に74分にドウグラス・ルイスに直接コーナーキックを叩き込まれて同点に追いつかれてしまった。ヴィラは開幕戦でボーンマス相手に一度も決定機を作ることができなかったことを象徴するように、ファイナルサードでのクオリティがリーグ1、2を争うレベルで低く、今節もアーセナルの素早い帰陣によってオープンプレーからはほとんどチャンスを作ることができていなかった。

 そうした状況だったのにも関わらず、追いつかれてしまったのは痛恨だった。ただ、ここで終わらないのが今季のアーセナルだ。前節フラム戦でも86分に勝ち越しゴールを決めたが、今節も77分に決勝点を奪い、2-1で勝利。見事、開幕戦5連勝を飾った。

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