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左SB・冨安健洋が発揮した持ち味とは?なぜアーセナルはリバプールに勝てたのか【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

“リバプール化”できた理由


 アーセナルが高い位置から連動したハイプレスを仕掛けることができているのは、最終ラインの選手たちがハイラインを敷くことができているからである。最終ラインが低いままでハイプレスを仕掛けると中盤がスカスカになりボールの奪いどころを作れないが、ラインを上げてコンパクトにすることで最終ラインと最前線の距離が狭まり、相手はプレッシャーを回避することが難しくなる。

 このサッカーを展開する上ではフィルジル・ファン・ダイクのように“スピードとフィジカル能力に優れ、一人でボールを奪い切れるCB” が重要となる。自分たちの背後を取られても致命傷にならないようにするためだ。

 アルテタ監督の就任直後にはファン・ダイク同様のキャラクターはいなかったが、今のアーセナルにはウィリアン・サリバがいる。空中戦の強さこそファン・ダイクには劣るが、サリバもスピードと空中戦に優れた選手であり、足の速いルイス・ディアスと対峙した場面でも冷静に対応して相手の攻撃を封じていた。

 また前線の選手の猛烈なプレスバックも効いており、DFさながらのタックルでボール奪取するのはもちろん、リバプールがセカンドボールを拾う前に自分たちがボールを回収するなど、チームとして一貫性のある戦い方ができていた。

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