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無駄遣い…。バルセロナ歴代“不良債権”ワーストイレブン。大外れだったのは…?

シリーズ:不良債権ワーストイレブン text by 編集部 photo by Getty Images

CB:ドミトロ・チグリンスキー(元ウクライナ代表)

バルセロナに所属していた元ウクライナ代表DFドミトロ・チグリンスキー
【写真:Getty Images】


生年月日:1986年11月7日
在籍期間:2009年夏〜2010年夏
移籍金:2500万ユーロ(約35億円)
通算成績:14試合0得点0アシスト

 21世紀におけるバルセロナの失敗補強には、必ずと言っていいほどドミトロ・チグリンスキーの名前が挙がる。ウクライナ代表、そして同国の強豪であるシャフタール・ドネツクで活躍していたチグリンスキーは、ジョゼップ・グアルディオラ監督の希望もあって、2009年に当時としては高額な移籍金2500万ユーロ(約35億円)でスペインの名門にやってきたが、貢献度は希薄だった。

 DFとして高いキック精度を誇っていたチグリンスキーだが、ビッグクラブであるバルセロナの高いプレースピードにまったくついていけず、カンプ・ノウに詰めかけたサポーターから心無いブーイングを浴びせられた。それに加え怪我も多かったことで、カルレス・プジョルやジェラール・ピケの後塵を拝し、1年目の公式戦出場はたったの14試合に留まっている。

 失意に終わったチグリンスキーは、わずか1年でバルセロナを退団。グアルディオラ監督には残留を望まれていたようだが、クラブの財政的な事情により、加入時よりも1000万ユーロ(約14億円)安い1500万ユーロ(約21億円)で古巣シャフタールに放出されている。後にウクライナ人は「高額な移籍金がプレッシャーだった」とバルセロナでの苦しい日々を振り返った。

CB:サミュエル・ウンティティ(元フランス代表)

バルセロナに所属している元フランス代表DFサミュエル・ウンティティ
【写真:Getty Images】

生年月日:1993年11月14日
在籍期間:2016年夏〜
移籍金:2500万ユーロ(約35億円)
通算成績:133試合2得点1アシスト

 バルセロナ加入当初は主力として活躍していたサミュエル・ウンティティだが、半ば強制的に出場したロシアワールドカップ後に体が悲鳴をあげ、キャリアは崩壊した。ヒザに爆弾を抱えながらも手術に踏み切ることはなく、保存治療を選択し続けたこともあってトップコンディションには戻れず。その間にライバルたちに先を超され、徐々に戦力として見なされなくなった。

 そんなウムティティはピッチ内だけでなく、ピッチ外でもクラブにとっての“頭痛”となっている。もはやフル稼働できる状態ではないウンティティは当然ながら放出候補となったが、高い給料を受け取っていたため、移籍に対して消極的な姿勢を貫いており、まさに不良債権と化したのだ。この“頑固さ”はサポーターの怒りを買い、激しいブーイングを浴びせられることもあった。

 昨年夏にようやくレッチェへのレンタル移籍を決断したウンティティだが、ここでもクレ(バルセロナファンの愛称)の怒りを買っている。なんと、バルセロナで過ごした直近4年を「まるで刑務所で過ごした気分」と表現したのである。そのウンティティは昨年、減俸を飲み込む代わりにバルセロナとの契約を2026年まで延長している。両者の攻防はしばらく続きそうだ。(※編注 現地時間6月30日に契約解消が発表)

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